借りた本はサッサと読んで貸主に返しなさい(by 本居宣長)
宣長の、本を借りたら読んで早く返しなさい、のエピソードは下記にあります。
本居宣長『玉勝間』玉賀都万 一の巻(日本思想大系〈40〉本居宣長 (1978年)、pp..20-1)
一四 また
めづらしき書をえたらむには、・・・、すべて人の書をかりたらむには、すみやかに見て、かへすべきわざなるを、久しくどゞめおくは、心なし、さるは書のみにもあらず、人にかりたる物は、何も何も同じことなるうちに、いかなればにか、書はことに、用なくなりてのちも、なほざりにうちすておきて、久しくかへさぬ 人の、よに多き物ぞかし、
そして、この後が、実にいいです。
一五 また
人にかりたる本に、すでによみたるさかひに、をりめつくるは、いと心なきしわざなり、本にをりめをつけたるは、なおるよきものぞかし、
ここらへんは、書痴 bookjunkie としては、宣長に深く頷かざるを得ません(心ならずも…)。またさきほどの、早く返せ云々は、当時、書籍は現在の価値で言うと1万円から数万円の相対価値でしたから、無理からぬ点はあります。
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