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2018年6月 8日 (金)

二十世紀はいつ始まったか?(2)

(1)からの続き。

■総力戦体制

 現代歴史学では、《現代》、《現代化》は第一次世界大戦以降ということになっています。その際のキーワードは「総力戦」※です。

※一つのエポックは、20年前の下記の書。

山之内靖、成田龍一、ヴィクター・コシュマン編『総力戦と現代化』1995/11柏書房 (パルマケイア叢書)

※下記の論文、本も、この機運に棹差していました。

榊原 英資,野口 悠紀雄「大蔵省・日銀王朝の分析--総力戦経済体制の終焉」 1977-08『中央公論』(vol.92,no.8,pp.96~150)

野口 悠紀雄『1940年体制―「さらば戦時経済」』1995/4東洋経済新報社

■動員から参加へ

 ふた昔前の教科書的理解では、第一次大戦の影響の最大のものは、ロシア革命とアジア・アフリカにおける欧州植民地独立運動でした。しかし、その後の現代史に深い影響を与えたのは、実は欧州列強国自身の参戦の反作用による、不可逆的構造変化※でした。

※下記の弊ブログ記事参照。
1945年の意味

 総力戦体制は、国中の成年男子を戦争に動員しました。しかし、莫大な消費物資を賄うには工場に空いてしまった成年男子の穴を埋めざるを得ません。国家も背に腹は代えられず、銃後の女たちを動員します。

第一次世界大戦中、軍需工場で働くイギリスの女性

British women working in arms factory during World War I.
撮影場所:United Kingdom
撮影日:1914
※引用者註: 宣伝のためですから、無論当局の検閲の下にあります。芝居がかった仕草、美女ばかり、からすると、いわゆるモデルを使った可能性が高そうです。

 当時の豊富な写真なら、下記を参照。
【第一次世界大戦】 出征した男性に代わり力強く働いた女性たち(画像集)

■参加から主張へ

 「生ける法」の最も基本的な働きは、相互性 reciprocity です。国家によって動員させられたのであれば、それに見合う何かを要求するのが人情というものです。女たちは行動の拡張を要求しました。一つは生活の中での動きやすさ(can do)、他は権利(ought to )です。前者はファッションとして、後者は参政権の獲得として具体化しました。

シャネルスーツ

主要国の女性参政権獲得年表

1893 ニュージーランド
1902 オーストラリア
1906 フィンランド
1913 ノルウェー
1917 ソ連
1918 イギリス
1919 オーストリア、ドイツ、オランダ
1920 アメリカ
1932 スペイン
1934 トルコ
1944 フランス
1945 イタリア、日本


■西欧の米国化(Americanization)と米国の西欧化(westernization)
この項、次回へ

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