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2018年10月10日 (水)

米国の合理主義

 かつて、「選択と集中selection and concentration」という、GE会長ウェルチの言葉が流行しました。

 この簡明(感銘?)な標語が、西欧的文脈での合理性の実態だと私は考えています。 彼らにとって、合理性とは、「限られた諸資源resources を一つの(あるいは複数の)目的goalを最大限の実現するための配分の仕方、方法、機序を考えること」です。

 1945年(昭和20)3月10日未明の米軍による東京大空襲は、東京地方の気象史なども事前調査し、焼夷弾の威力が最大限発揮される天候、気温、風向き、を踏まえて実行されています。そして、死者10万人という赫赫たる戦果をあげました。

 そして、この「選択と集中selection and concentration」は、Weberのいう、行動的禁欲aktive Askese [active asceticism]そのものです。

 神の栄光を現世においていや増すため、他の欲望を切り捨て、持てる資源、活力をすべて、そのためだけに注ぐ。

 ベトナム戦争中、国防長官のマクナマラ(元経営学者、フォード社長)は、ベトコンの殺傷効率を計測するためのkill ratioを考案しています。MLBにおける、詳細を極めたデータ解析もそれをおなじ文脈です。

 これが「病膏肓に入る」と

「今日の合衆国のように全国民の幻想が、ただ数量的に大きいものに向けられている所では、そうした数字のロマンティシズム(Zahlenromantik)は抗し難い呪力をもって商人の中の「詩人」に働きかけるのだ。」
マックス・ヴェーバー著大塚久雄訳『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫(1989) 、p.80

 ただし、戦闘で、日本の軍国的ロマンチストと米国の数字的ロマンチストがガチンコ勝負すると、常に日本側の必敗となります。

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