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2019年3月 4日 (月)

大統領に原爆投下は「不要」と反対した米国参謀総長

 大統領トルーマンに対して、米軍統合参謀本部議長は日本への原爆投下を「必要ありません。」と反対していました。

 それからすると、第二次世界大戦中の米国の軍統帥部は、国家統治機構の一部として、また、軍事専門家として、少なくとも大日本帝国陸海軍よりは正常に機能していたようです。
 この悲惨な戦争の勝敗より、大日本帝国の統治機構がまともに働かなかったことが私は腹立たしい。

ウィリアム・ダニエル・リーヒ(William Daniel Leahy)の回想録から
(訳文はWikipedia様より拝借)。
1942年にフランクリン・ルーズベルト大統領によって合衆国陸海軍最高司令官(大統領)付参謀長に任命され、トルーマン大統領の下でも同職を務めた米国軍人。

William D. Leahy
I Was There : The Personal Story of the Chief of Staff to Presidents Roosevelt and Truman Based on His Notes and Diaries Made at the Time
Whittlesey House 1950
第23章 Atom bombs, germs - and peace

"Bomb" is the wrong word to use for this new weapon. It is not a bomb. It is not an explosive. It is a poisonous thing that kills people by its deadly radioactive reaction, more than by the explosive force it develops.
この新兵器を爆弾、と呼ぶことは誤りである。これは爆弾でもなければ爆発物でもない。これは“毒物”である。恐ろしい放射能による被害が、爆発による殺傷力をはるかに超えたものなのだ。

The lethal possibilities of atomic warfare in the future are frightening. My own feeling was that in being the first to use it, we had adopted an ethical standard common to the barbarians of the Dark Ages. I was not taught to make war in that fashion, and wars cannot be won by destroying women and children.
アメリカは原爆を投下したことで、中世の虐殺にまみれた暗黒時代の倫理基準を採用したことになる。私はこのような戦い方を訓練されていないし、女子供を虐殺して戦争に勝ったということはできない。

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