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2019年5月14日 (火)

古代ギリシア人の名前(2)

 (1)では、日本の西洋古典学者高津春繁氏の著書から引用しました。別のソースも引いておきましょう。実は既に2回ばかり弊ブログでも触れていましたが、該当箇所を引くまではしていませんでしたので、今回はその部分を引いて記事化しておきます。

ギリシアでは、個人の名前のみで呼ばれるのが普通である。ペリクレスは、将軍と呼ばれず、「クサンティッポスの息子ペリクス」と呼ばれたのにすぎない。そして小市民も、ペリクレスと同様に、肩書をつけずに呼ばれており、しかもこのように肩書をつけないことが、かえって貴族的と見做されたのである。
リヒアルト・ハルダー(松本仁助訳)『ギリシアの文化』北斗出版1985年、p.14
Richard Harder, Eigenart der Griechen / Einfuerung in die Griechische Kultur, Verag Herder GmbH, 1962

 要するに、称号も職名もつけず、個人の名前のみを名乗るということは、ギリシア独特のことといってよいだろう。人間は、個人の名前のみを有するものとして、ギリシア人の関心を引いたのである。このような人間は、社会的装飾物を必要とせず、ただ一族の背景をわずかに暗示しさえすればよかった。すなわち、ギリシアでは、人間は、純粋人間が所有する単純率直さを誇りとして世に現れたのである。
リヒアルト・ハルダー(松本仁助訳)『ギリシアの文化』北斗出版1985年、p.15

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