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2019年6月25日 (火)

自動車は、ガソリンのパワーの60%を大気中へ捨てている

 今月、興味深い産業ニュースが流れました。

ホンダが世界最高水準のエンジン効率47%、20年代目標 | 日経 xTECH(クロステック)

 この記事中で、

ホンダは2018年に発売した「アコードハイブリッド」の2.0Lガソリン機で、最高熱効率40.6%を達成した。将来に向けては最高熱効率45%、比出力80kW/Lの両立を目標に開発を進めている。

という記述があります。すると、いま道路上を走っているガソリン車で、最高熱効率が40.6%ということですから、他の車はそれ以下の熱効率で走っている訳です。路上を最新のモデルだけが走っていることなどあり得ません。したがいまして、現代社会で使用中の自動車は、概ね、ガソリンを燃やした熱量の60%以上を外気中に捨てていることになります。

 これは温暖化ガスのCO2がどうたらこうたらという暢気な話題ではなくて、もし地球温暖化が事実ならば、その主犯は、石油を燃料とする内燃機関動力、ということになるレベルの話です。1Lのガソリンを燃やすと、そのうちの600cc相当分は、垂れ流しながら走っているのが自動車なのです。

 しかし、なんでそんな無駄な行為が経済的に成り立つのか、と言えば、原油がcheap過ぎるからです。

 内燃機関動力の技術は19世紀末に確立し、人類の生活を飛躍的にrichにしたと思います。昔なら、王侯貴族や上層臣民しか所有できなかったはずの馬車が、その数百倍のパワーを持つ自動車を一介の労働者クラスまで持てるようにしました。地上100mの高層ビルもたちました。しかし、それは、湯水のようにがぶ飲みできる、easy で cheap な oilがあったからです。

 After Peak Oil の21世紀の現在、それは一夜の儚い夢であったことが明確になっています。いま私たちに求められているのは、After Peak Oilの世界に生きざるを得ない子どもたちのために、私たちの「宴の後始末」を済ませて、安らかに棺桶に入ることです。まず、最優先は、cheap oil でつっかえ棒をしてきた核利用の後始末、核のゴミです。現生人類の責任が問われています。

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