Max Weber, Gesammelte Aufsaze zur Religionssoziologie, 3 Bande の個人訳
私は、下記の本をたまたま見かけて、我が眼を疑いました。
この恐ろしく困難な翻訳事業(独語全3巻、訳書全4巻)を個人でやるという破天荒なプロジェクトにびっくりしたのです。
そこで著者の紀要論文はないか、と検索すると非常に興味深いものを見つけました。
戸田 聡、マックス・ヴェーバー『宗教社会学論集』第1巻上(拙訳)への註記及び覚書 : HUSCAP
ここには、近現代日本における、Max Weber の翻訳に関するかなり率直なコメントが書かれています。梶山力、大塚久雄、安藤英治、などです。
最も納得がいったのは2点です。①Weberには西洋古代学者というディシプリンもあるので、これまでのWeber翻訳事業が、西洋古典語(古代ヘブライ語。古典ギリシア語、古中世ラテン語)を解さない状態で、現代西欧語(英語・ドイツ語・フランス語など)の知識だけで、なされてきたのは不適切だった、②安藤英治が未来社から出した、梶山力訳の復活本*が、何故、こうも分かりにくい(非常に使いにくい)体裁になったのか、の分析、です。
* マックス・ウェーバー(著)梶山力(訳)安藤英治(編)『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の《精神》』1994年、未来社
ま、何はともあれ、上記論文を一読いただければ、猛暑のもと、ひと時の知的涼を取れるのではないか、と思いご紹介した次第です。
日本語訳利用者の私としましては、この、故世良晃志郎氏の『経済と社会』創文社、翻訳を上回る、壮大な翻訳プロジェクトが完遂されることを期待したいと思います。
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