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2019年8月16日 (金)

La noche de 12 anos (2018) A Twelve Year Night

 南米、ウルグアイは、1970年代、軍事政権の時代でした。当時、南米最強の「極左」ゲリラと言われた、Tupamaros トゥパマロスへの軍部による最大の掃討作戦の際、拘束・収監された3人のゲリラの、12年間の辛酸をなめた独房生活のドキュメンタリー・タッチの劇映画が、表題です。

映画の詳細は、下記参照。
La noche de 12 anos (2018) 「A Twelve Year Night」- IMDb

 その3人の一人が、後にウルグアイ大統領(2010-5)となった、Jos Alberto Mujica Cordano ホセ・ムヒカでした。

「神は、自らに似せて人間を創り給うた」という言葉があります。これは逆ですね。「人間は己に似せて、神と悪魔を創った」のだ、と思います。ひとは、時に《神》の如き、信じがたい善を行いますが、別の時には、いくらでも《悪魔》のごとくに、非道なこともできます。これが、人間の倫理を成立させる自由の根源なのでしょう。

 ホセ・ムヒカ(前ウルグアイ大統領)は、あるインタビューで《自由》についてこう言っています。あの12年間を、発狂せずに生き延びたことを踏まえると頷ける内容だと思えます。

「生きる時間とは何か?」
「自分が自由に使える時間のことです。やりたいことをやる時間のことです。ある人にとっては、それはサッカーをすることかもしれないし、別の人にとっては釣りをする時間ですし、木の下にいることかもしれない。」
「自分の人生の時間をすきなことに使っている時が本当に自由なときなのですよ。そして、自分と家族の物質的な欲求を満たすために働く時間は自由ではないのです。そこで昔ながらの欲求の法則にすっぽり入って行くのです。仕事が好きかどうかは別の話です。その働いていない時間のことが自由なのだと指しているのです。」
「自由になるための戦いというのはどれくらい自由な時間を確保できるかにかかっているのだと私は言いたいのです。もので溢れることが自由なのではなく、時間で溢れることこそが自由なのです。」
ムヒカ大統領のインタビュー:消費主義社会について - Hana.bi | Japan +YOU、より


※弊ブログ参照 ムヒカ元大統領に日本人青年がインタビューしています。下記。
自由における「である」こと、「する」こと: 本に溺れたい

※参照 リオで実施された国連環境会議での有名な演説(日本語訳)
リオ懐疑で最も衝撃的なスピーチ:ムヒカ大統領のスピーチ(日本語版)Hana.bi | Japan+You

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