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2020年3月 6日 (金)

「機会費用 opportunity cost」とは何か

 別名が「idle cost」(怠け費用)とあるように、現代の疾走する資本主義を駆動する(駆り立てる)根本概念です。定義は「ある生産要素を特定の用途に利用する場合に、それを別の用途に利用したならば得られたであろう利益の最大額」となります。このおかげで、「時間」が「資本」化します。

「Time is money.」で有名なのは、Benjamin Franklin の13徳目の第6「Industry」です。
「Lose no time; be always employ'd in something useful; cut off all unnecessary actions.」
 これはいわゆる「徳目」ではありますが、単なる「勤勉の勧め」というだけでなく、「神の時間の有効利用の義務」という形の、「代替費用」の萌芽と言うべきものが伺われます。経済学史で「機会費用」概念の彫琢はオーストリア学派と言われていますが、「機会費用」概念と禁欲的プロテスタンティズムには歴史的因縁浅からぬものがありそうです。

 「在庫」は「在庫投資」ともいい、そこに拘束された「資金」には、時々刻々と「費用」が発生しています。その「在庫」相当額の「資金」を、確定利付きの金融商品に「投資」すれば、手を拱いたままで「利子」を手にすることが出来ます。それが在庫のコスト(機会費用)と言うわけです。トヨタは、「乾いた雑巾をさらに絞る」という徹底さで、仕掛品(半製品/部品等の在庫)にかかる「費用」を圧縮し、メーカーにも関わらず、その「資金」でトヨタ銀行とも称された膨大な「金融黒字」を出しています。もっとも今は、それよりも輸出大企業に対する消費税の還付金で左団扇でしょうが。下記参照。

トヨタなど輸出13社に消費税1兆円を還付|全国商工新聞

 この「機会費用」からすれば、「在庫」「備蓄」だのは、神をも恐れぬ所業、ということろです。

「ジッとしていることは損をすることだ」。

 もしグローバル資本主義に「十戒」があるとすれば、その「第一戒」にくる「お言葉」です。

◆参照 明治日本の《米国化》: 本に溺れたい

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