歴史実験としてのコロナ禍 Coronavirus shock as a historical experiment
現在、世界経済が縮小している/縮小していく、のは多分明らかですが、マクロの経済循環が、実物的にも金融的にも、今回のように急激に縮小するとき、いったい、何が起こり、どういう経済的帰結が出現するかは、実は現在のアカデミックな経済学では、あまり研究されていません。だから、このコロナショックに際して、大学所属の経済学者や経済評論家にいたるまで、普段から言っているような、偉そうなご託宣を、誰も述べられないのです。
一旦、企業も消費者も経済マインドが劇的に委縮してしまった場合、そこから復元するのか、しないのか。復元するならどういう理路で復元するか、復元しないのならどういう地点へ落ち込むのか、これは机上の「経済学」では未知の世界です。ゆけゆけドンドンのアメリカ産「経済学」ではとりわけそうです。
現状は、社会科学における歴史実験に等しい、と考えられます。この経験から、真の社会科学的経済学が survive するか再生するなら、これが本当の「怪我の功名」、「選択的親和性 Wahlverwandtschaften (Elective Affinities) 」の歴史的実例になるかも知れません。
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