種苗法の「改正」に反対します ― アベ売国政権の売国的法改正
コロナ禍の喧噪の裏で、日本のただでさえ脆弱な「農」と食料安全保障を、危機的な状況に陥れる法案がアベ政権によって国会に提出されています。種苗法改正案です。
この法改正は、これからの日本が目指すべき国制にたいして根本的に反するもので、私たちの子孫、つまり日本の未来を危うくするものです。
日本の将来人口は、2050年前後には9千万人を切り、2100年には5千万人前後になっていることはほぼ確実と思われます。現代日本のように、一極集中、それも大都市集中型の人口/経済/政治の構造は、その時には維持しようもありませんし、そういう歪(いびつ)な人口構造、国家の構造を可能にしていたのは、AIやシンギュラリティといった技術信仰(Techno-cult)ではなく、湯水のように消費可能だった石油とそれに支持された動力系テクノロジー、それとこの列島の豊かな「水」のお陰です。もしその維持を無理強いしようとすれば、東京以外がゴーストタウン化し、おそらく砂漠化します。この列島が南北東西に長く、バラエティに富んだ自然風土に恵まれているのに、そんな事態にしてしまったらご先祖様に申し訳が立ちません。
百年後の、人口分散型/分権統治型の多様性を持つ列島社会の国制を可能にする物質循環の基盤は、エネルギーと「食」の地産地消です。今回の種苗法改正は、その「食」の地産地消、という未来構想を壊滅させ、日本人が未来永劫、食糧多国籍企業(アグリビジネス)にその食料生産という首根っこを押さえられてしまう、死活問題なのです。私たちの子や孫の未来を奪う危険性を秘めているとさえ言えるでしょう。アグリビジネス如きにしてやられたら、むしろ江戸人に笑われます。なにしろ、200年前の江戸の市井の人々は、メンデルの法則を利用して、変化朝顔の改良を競っていたのです。
一人でも多くの日本人がこの問題の重要性と緊急性(GW明けには国会審議再開)に眼を向け、自分の意見を持ち、ネット上でその意見を表明することを希望します。
〔何が問題なのか〕詳細は、下記のサイトをご覧ください。
1)種苗法が3日に閣議決定されて、いよいよ国会での審議が始まります。 | 山田正彦 オフィシャルブログ Powered by Ameba
2)種苗法改正の何が問題なのか 種苗法って何? 種子の知的財産権と農民の種子への権利(松平尚也) - 個人 - Yahoo!ニュース
3)種苗法改定案が今国会に上程!自家増殖(採種)一律禁止になり、違反すると10年以下の懲役1000万以下の罰金共謀罪の対象!? 日本の農業政策の未来にあるのは強欲アグリビジネスの支配体制! | IWJ Independent Web Journal
4)農文協|「農家の自家増殖、原則禁止」に異議あり!
5)種苗法改定案に対する見解 | tanemamorukai
ブログ主 renqing こと、上田悟司(Ueda Satoshi)
〔同主旨の協賛サイト様〕
惨事便乗型資本主義を終わらせよう コロナ禍の中での種苗法? - 代替案のための弁証法的空間 Dialectical Space for Alternatives
〔本記事の続き〕
「国難」とはなにか: 本に溺れたい
| 固定リンク
« 「幻なき民は滅ぶ」Where there is no vision, the people perish | トップページ | The discourse construction of reality/「現実」の言説的構成 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 「沈黙」と「待つ」ことの機会費用/ Opportunity cost of "silence" and "waiting"(2024.08.12)
- 有田焼のマグカップ/ Arita porcelain mug(2024.04.25)
- 父と子 father and son (若干、追記)(2024.03.10)
- 虹 rainbow(2024.03.09)
- 河津桜(2024.03.03)
「お知らせ(information)」カテゴリの記事
- 秋の絶景、大村湾:日本の《真珠湾》、長崎県(2023.11.12)
- 弊ブログ主のインタビュー記事、第2弾(2023年2月)(2023.02.08)
- カテゴリー「Otto Neurath」「選択的親和関係(Elective Affinities / Wahlverwandtschaften)」を新設しました(2022.03.25)
- Instruction manual for our blog(2021.05.02)
- 弊ブログ主のインタビュー記事(2020.07.28)
「感染症/インフルエンザ」カテゴリの記事
- 高1数Aの使い道(新型コロナ感染症へのアプローチ)/Consider COVID‑19 using high school mathematics(2)(2022.10.07)
- 高1数Aの使い道(新型コロナ感染症へのアプローチ)/Consider COVID‑19 using high school mathematics(1)(2022.10.03)
- 国家による「生」の選別=優生保護法(2022.03.20)
- 欧米的合理主義のなかに内在する不合理は何に由来するのか(2)(2022.02.05)
- 新型コロナ(COVID-19)対策の基本的変更を表明したボリス・ジョンソン英国首相/ British Prime Minister Boris Johnson announces fundamental changes in the fight against the new Corona (COVID-19)(2022.01.21)
「国制史(Verfassungsgeschichte)」カテゴリの記事
- Otto Brunner, Land und Herrschaft : Grundfragen der territorialen Verfassungsgeschichte Österreichs im Mittelalter, 1939(2024.06.08)
- 対米英蘭蒋戦争終末促進に関する腹案(昭和十六年十一月十五日/大本営政府連絡会議決定)/Japan's Plan to Promote the End of the War against the U.S., Britain, the Netherlands, and Chiang Kai-shek 〔November 15, 1941〕(2024.06.02)
- 書評:関 良基『江戸の憲法構想 日本近代史の〝イフ〟』作品社 2024年3月(2024.05.13)
- Seki Hirono and Feminism (1)(2022.05.06)
- 関 曠野とフェミニズム(1)(2022.05.06)
「 political theory / philosophy(政治哲学・政治理論)」カテゴリの記事
- Seki Hirono, Unearthing the Forgotten History of Ideas, 1985(2024.07.14)
- 関 曠野「忘れられた思想史の発掘」1985年11月(2024.07.13)
- The genuine "leader" by Peter F. Drucker / 真のリーダー(ピーター・ドラッカー)(2023.09.12)
- 二千年前の奴隷解放令/ The Emancipation Proclamation of 2,000 years ago(2023.01.29)
- Masao Maruyama, "Carl Schmitt (Schmitt-Dorotic) (1888-1985)," 1954(2022.06.06)
「環境問題 (environment)」カテゴリの記事
- 「獲得と所有権」志向から「ケアと義務」志向への転換のために/For a shift from an “acquisition and property” to a “care and obligation”(2024.08.11)
- 近代工業技術の人類史へのインパクト/Impact of Modern Industrial Technology on Human History(2024.07.26)
- ぼくらはみんな生きている/ We are all alive(2023.10.29)
- 戦後日本の食料自給率なぜ低下したか?/ Why did Japan's food self-sufficiency rate decline after World War II?(2023.09.18)
- 「後期高齢化」社会の現実(2023.08.31)
「歴史と人口 (history and population)」カテゴリの記事
- 書評:関 良基『江戸の憲法構想 日本近代史の〝イフ〟』作品社 2024年3月(2024.05.13)
- 戦後日本の食料自給率なぜ低下したか?/ Why did Japan's food self-sufficiency rate decline after World War II?(2023.09.18)
- 「後期高齢化」社会の現実(2023.08.31)
- 人口縮小社会:一つの帰結(2022.12.09)
- 飯田哲也「複合危機とエネルギーの未来」岩波書店『世界』No.952(2022年1月号)(2022.01.10)
「生活史 (History of Everyday Life)」カテゴリの記事
- ドラード和世陀:日本の カサ・ミラ〔2〕/ Waseda El Dorado: Casa Milà, Japón〔2〕(2023.09.20)
- 沢田マンション:日本の カサ・ミラ〔1〕/Sawada Manshon: Casa Milà, Japón〔1〕(2023.09.19)
- 日本の若者における自尊感情/ Self-esteem among Japanese Youth(2)(2022.09.28)
- 現代日本における「貧困」ー国際比較/ Poverty in Contemporary Japan: An International Comparison(2022.09.26)
- 菊池寛「私の日常道徳」大正十五年一月(1926年)(2022.06.26)
コメント