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2020年9月17日 (木)

般若 豊(埴谷雄高)

 あるMLで、朴裕河(学者)、村田紗耶香(作家)、という名を紹介してもらいました。そこにコピー・ペーストして頂いた、amazon の朴裕河『引揚げ文学論序説: 新たなポストコロニアルへ人文書院 (2016/11) をのぞき見しましたら、懐かしい名前に出会えました。

 もうかれこれ30年ばかり前に働いていた、高円寺の都丸書店。この古書店の古くからの馴染み客の武蔵境のお宅へ古書を引き取りに伺ったのです。暑い頃でした。あまり大きくはない、古い日本家屋。表札には「般若 豊」と墨で黒々と書いてありました。「珍しい名前だなぁ」と思いつつ、おとないを入れると、浴衣姿で上半身はだけた痩せた老人が出てきて、「では、持って行ってください。」と丁寧な物腰。献呈されたらしい包装のままの本、新本が、ごろごろふた山ほどありました。好人物というか、優しい感じの好好爺然とした人物で、その時は気付かなかったのですが、後で本を分類処理していたときに、「埴谷雄高論」ふうの本が幾つかあったので、それであの、気の良さそうなご老人が、「埴谷雄高」で、本名が「般若 豊」なのか、と合点しました。今ふと思えば、「雄高(ゆたか)」が「浴衣(ゆかた)」とは・・・。お粗末の次第。

突然、回想モードとなりました。恐縮。


古書店関連の私の回想記事のリンクをもう一つ付けておきます。
思い出したことども: 本に溺れたい

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