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2021年1月28日 (木)

古代中国人の意匠力=漢字/ The power of ancient Chinese design = Chinese characters

 漢字は、紀元前1500年頃には存在した、古代文字の系譜を引きながら、しかも現代でも使用されている唯一の古代文字です。現在確認できる最古の形は、殷墟の甲骨文字です。たまたま漢和辞典で二つの漢字を調べた際、象形文字として、その意匠に感じ入ったので忘れないうちに弊ブログに記事として残します。

 二つの漢字とは、「専」と「棄」です。

 解説の出典は、なかなか優れモノの学習漢和辞典、福武書店刊、新田大作・福井文雅編『チャレンジ漢和辞典』1991年10月、からです。

 

 まず、「専」です。これには、楽しい、かわいらしい起源があります。
K1053
「寸(手の意)と、 叀(セン:糸巻きの形をしたおもちゃの意)とを合わせて、子どもがおもちゃを持って、手ばなそうとしない意味を表す。ひいて、ひとりじめする意味に用いる。」


 次に、「棄」です。これは、悲しく、その酷薄なまでのリアリティに一種の感銘さえ受けます。

K1553_20210119140601

 「𠫓(生まれたばかりの子どもの意)と、[下の字体](ごみをすてる意)とをあわせて、生まれた子をすてる意味を表す。ひいて、すてるの意味に用いる。」

 たった二つのサンプルですが、古代中国人の、眼前の光景を偽りなく意匠化する力を感じ取って頂けたでしょうか。

 この漢字を創出し、三千年間、維持、発達させてきた大陸の人々は、好悪、善悪のカテゴリーを超えて、敬意を払わざるを得ない人々であると感じます。

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