明治十二年のトクヴィル
本邦初訳のトクヴィル『アメリカのデモクラシー』は、明治十二年に出ています。
日本 肥塚龍 重訳
佛國ト―クヴィル原著『自由原論』全三巻(明治十二年)
※下記資料は、自由原論. 第1−4巻 - 国立国会図書館デジタルコレクションより。初版ではなく、重版のようです。
トクヴィル『アメリカのデモクラシー』本邦初訳は、中村敬宇(正直)に学んだ肥塚龍(1848-1920)が、明治十二年に英語版からの重訳を出しているのが最初のようです。肥塚は生来賢かったのでしょうが、家が貧しかったらしく、寺に入れられます。還俗して中村敬宇に学び、横浜毎日新聞で記者となります。ここら辺は、戦国末期の藤原惺窩や林羅山と全く同じキャリアコースです。
その後、政治家に転身して、明治三十一年東京府会知事、明治四十一年衆議院副議長と栄達。愛国生命保険会社取締役、日本キネトホン株式会社社長、と実業家としても活躍した人物とのことです(国史大辞典より)。
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