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2022年6月 6日 (月)

丸山真男「シュミット Carl Schmitt (Schmitt-Dorotic)(1888-1985)」、1954年

初出:中村哲・丸山眞男・辻清明 編集『政治学事典』1954年、平凡社、執筆項目「シュミット」
出典:『丸山眞男集 第六巻』1995年、岩波書店、pp.89-91


丸山真男「シュミット Carl Schmitt (Schmitt-Dorotic)(1888-1985)」、1954年

 ドイツの公法および政治学者。ベルリン大学とシュトラスブルク大学に国法学をまなび、1916年シュトラスブルク大学私講師、その後、ボン、ケルン大学などを歴任してナチスの権力掌握後まもない193310月にベルリン大学正教授。またプロシア参議院議員をも兼ねて政務および重要立法に参画した。やがて彼の学説はナチスのより正統的な立場を代表する学者や党機関紙によっていろいろ批判をうけ、一時ほどの権威と声望はなくなったが、第二次大戦の終了までナチス学界および法曹界の重鎮であった。戦後その地位をうばわれ47年まで投獄されていたが、現在はふたたび学界に復帰し、国際法や思想史の分野で労作を発表している。

 カール・シュミットはナチス系の国法学者、政治学者のなかで、すでにワイマール共和国時代において確固たる学問的名声を保持していた数すくない学者の一人である。彼の積極的な立場は初期の著作におけるカトリック的色彩のつよい規範主義から、決断主義 Dezisionismus od. Entscheidungsdenken をへて具体的秩序の思想 Konkretes Ordnungs-und Gestalungsdenken へと発展したが、そこに一貫して流れているのは自由主義的な法および政治の概念構成にたいする破壊作業であった。それは法学の面ではラーバントからケルゼンにいたる法実証主義の批判として、国家学のうえでは、近代国家の中性化・非政治化 Neutralisierung und Entpolitisierung 的傾向の克服として、政治学の面では議会政治と政治的多元論の論駁としてあらわれた。すべての政治概念は「敵」の存在を前提とする論争的性格をもつというシュミットの確信にふさわしく彼の理論はするどいポレミークにおいてすぐれ、変態から常態を解明し、例外状態(戦争、革命、独裁)からして法、主権、政治などの本質を規定してゆくのが彼特有の思惟方法である。しかしその反面、彼の理論においては積極的建設的側面よりも否定的側面がつねに強調され、純粋法学的規範主義の形式性、無内容性はたんに裏がえしにされたかたちで、シュミットの「純粋」決断概念に再現される結果となった。のちに彼は国家=運動=民族の三分肢的国家構造の提唱や具体的秩序理論においてこの欠陥の補強をこころみたが、それはかならずしも成功していない。彼の理論はナチスの権力闘争の段階にこそ適合していたが、既成の政権を正統化し合理化するイデオロギーとしては不充分であり、そこに彼がO.ケルロイターなどのはげしい批判をあびるにいたったゆえんがある。しかしシュミットの政治的ロマン主義や近世主権理論に関する思想史的研究、憲法制定権力の解明、政治および戦争概念の分析、議会主義と反議会主義の精神的基盤の考察などは、彼の政治的立場をこえて今日なお示唆するところすくなしとしない。

主著
Der Wert des Staates und die Bedeutung des Einzelnen, 1914.
Politische Romantik, 1919.
Die Diktatur, 1921.
Politische Theologie, 1922.
Die Geistesgeschichtliche Lage des Heutigen Parlamentarismus, 1923.
Der Begriff des Politischen, 1927.
Verfassungslehre, 1928.
Legalität und Legitimität, 1932.
Staat, Bewegung, Volk, 1933.
Über die drei Arten des Rechtswissenschaftlichen Denkens, 1934.
Der Leviathan in der Staatslehre des Thomas Hobbes, 1938.
Die Wendung zum diskriminierenden Kriegsbegriff, 1938.
Völkerrechtliche Großraumordnung, 1939.
Der Nomos der Erde im Völkerrecht des Jus Publicum Europaeum, 1950.
Donoso Cortes in gesamteuropäischer Interpretation, 1950.
Ex captivitate Salus. Erinnerungen der Zeit 1945/47, 1950.

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