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2022年8月30日 (火)

荘子、ニーチェ、湯川秀樹/ Zhuangzi, Nietzsche and Yukawa Hideki

 たまたまかも知れませんが、よく似た言葉だったので、集めてみました。

『荘子』應帝王 第七荘子 「渾沌」 現代語訳 | 漢文塾、より

南海之帝為儵、北海之帝為忽、中央之帝為渾沌。
儵与忽、時相与遇於渾沌之地。
渾沌待之甚善。
儵与忽諜報渾沌之徳曰、「人皆有七竅、以視聴食息。此独無有。嘗試鑿之。」
日鑿一竅、七日而渾沌死。

南海の帝を儵(しゆく)と為(な)し、北海の帝を忽(こつ)と為し、中央の帝を渾沌と為す。
儵と忽と、時に相与(とも)に渾沌の地に遇(あ)ふ。
渾沌之を待(たい)すること甚(はなは)だ善(よ)し。
儵と忽と渾沌の徳に報(むく)いんことを諜(はか)りて曰はく、
「人皆七竅(しちけう)有りて、以て視聴食息(しちやうしよくそく)す。
此(こ)れ独(ひと)り有ること無し。
嘗試(こころ)みに之を鑿(うが)たん。」と。
日に一竅を鑿ち、七日にして渾沌死す。


Nietzsche, Friedrich: Also sprach Zarathustra. [Bd. 1]. Chemnitz, 1883.

 Ich sage euch: man muss noch Chaos in sich haben, um einen tanzenden Stern gebären zu können. Ich sage euch: ihr habt noch Chaos in euch.

 I tell you: you must still have chaos within you in order to give birth to a dancing star. I tell you: you still chaos within you.

「汝等に告げる。踊る星を産めるためには、自己の内部にまだカーオスをもっていなければならない。汝等に告げる。汝等はまだ自分のなかにカーオスをもっている。」
ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』⇒ 村上淳一『仮想の近代 ー西洋的理性とポストモダンー』1992年東大出版会、扉より
F.ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』2015年河出文庫版、佐々木中訳、p.26
「諸君に告げる。人はみずからのなかに混沌を持っていなくてならない。舞踏(ダンス)する星を産むことができるためには。諸君に告げる。君たちは自分のなかにまだ混沌を持っている。」


「具象以前」湯川秀樹(1961年1月)
「いわばそれは具象以前の世界である。混沌から、ある明確な形態をもった物が生まれるより以前の世界、生まれようとしている世界である。」
「人間は具象以前の世界を内蔵している。」
随想全集 第九巻/石原純・朝永振一郎・湯川秀樹、昭和44(1969)年、尚学図書、pp.335-6

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