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2022年12月 8日 (木)

運命と和解する/中村真一郎

彼の穏雅な性格は、挫折のなかにも日常の小さな喜びを発見する才能となり、それが最も不遇だった梁川時代の「八景図」」のなかでも、領民の農家の男女の生活ぶりへの暖かい目となって私たちに伝えられ、この人物はいかなる時にも、運命と和解することを知っていた、生に対して肯定的態度を維持しつづけた賢人であったと教えてくれる。
蠣崎波響の生涯』新潮社 1989年、p.662

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※ご参照 乙箇吐壹(イコトイ):夷酋列像 (1790年)/蠣崎波響: 本に溺れたい

 中村真一郎(1918ー97年)は、森鴎外に比肩すべき、史伝三部作をその後半生から晩年にかけて、世に問うています。三部作を合計すると、なんと二千頁余です。私自身が耄碌(もうろく)する前に、読み終えることができるのか。どうなりますやら。

 弊ブログにすべての読後感をpostできたとき、それは成就されたと言えるのでしょう。倦まず弛まず、やってみようかと思います。

頼山陽とその時代』中央公論社 1971年(中村真一郎、53歳)、644頁
蠣崎波響の生涯』新潮社 1989年(71歳)、687頁
木村蒹葭堂のサロン』新潮社 、2000年(82歳)、758頁

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追伸
 運命に抗い(青)、妥協し(壮)、和解(老)する。
これ、人なら誰しも通る道ですが、私自身は、既に年寄りましたが、すんなり和解できているとは言えない気がします。私の人生、先が残されているかもしれないので、まだ少しは様子見ですね。

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コメント

遍照飛龍 様

コメントありがとうございます。
そういえば、アイヌの首長たちの肖像を描いた連作を掲載することを忘れていましたので、
乙箇吐壹(イコトイ):夷酋列像 (1790年)/蠣崎波響: 本に溺れたい
http://renqing.cocolog-nifty.com/bookjunkie/2022/12/post-2a2999.html
として、追加投稿しておきました。wikipediaから入れば、他の首長像もすべてみることができますので、ご利用ください。

投稿: renqing | 2022年12月11日 (日) 23時16分

蠣崎波饗は、数年前にアイヌの首長たちの肖像画を描いた画家としても、宣伝されてましたね。

興味があります。

投稿: 遍照飛龍 | 2022年12月 9日 (金) 11時05分

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