五月雨の晴れ間に出でて眺むれば青田を涼しく風わたるなり〔良寛 18C〕
西日本は昨日、梅雨が明けたらしい。関東ではまだそのニュースは流れていない。
ここ数日酷暑が続いていたが、今日は午後から断続的に多少強めの雨が降った。不意に降って、気付かぬうちにやんでいた。また降るかと少し気にはなったが、小さな所要を果たしに出ることにした。
そとに出てみると、意外に涼しい。雨が降ってジメジメしているとばかり思っていたので、今日は良い日に当たったのかもしれない。地を吹き渡る北西の風を、からだ全体で受け止めた。こんなに気持ちよく歩くのはいつ以来だろうか。
連日の晴天で、地表は初夏模様だったのだろうが、ザっと降った雨のおかげで、雨水が地表の潜熱を奪い取りどんどん蒸発してくれたのだろう。そこに北西の風が流れ込めば、涼しくない訳がない。やはり季節の変化は、屋外で感じ取るものだ、とつくづく納得。ものの40分ほど、往復5㎞弱のことだったが、この素晴らしい、季節が入れ替わる幕間に、ウォーキングできたのは幸いだった。
良寛〔1758-1831〕は、越後国出雲崎のひと。僧ではあるが、生涯寺を持たず托鉢した。こども好きでよく一緒に遊んだらしい。
いざ子供 山べに行かむ 桜見に 明日とも言はば 散りもこそせめ
歌、詩、書もよくし、多才のひとだった。表題の歌も、米どころ越後のこの季節、青々とした田を吹き渡る風を詠って涼しげである。
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