Bertrand Russell

2013年2月24日 (日)

人類史におけるヨーロッパの特異性(1)

 《世界史》というより、《人類史》の見地から言えば、欧州の事跡が他の地域も同じような道をたどるであろう普遍的事実、ないし他の地域が学習し模倣すべき模範的事実とは言えない。《to be》ではないことは勿論、《ought to be》でさえもない。このことは21世紀を迎えて約10年、既に明白になったといえる。

続きを読む "人類史におけるヨーロッパの特異性(1)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月 5日 (日)

B.ラッセル「怠惰への讃歌」(1932)

怠惰への讃歌 (平凡社ライブラリー)

 ラッセルにこういうエッセイがあるとは、ついぞ最近まで知らなかった。当時の大恐慌下における一種の有効需要論ともなっている。

「近代の技術は、すべての人々のために、生活必需品を確保するのに必要な労働量を甚だしく減らすことができるようにした。このことは、戦争中にはっきりわかった。戦時には、・・・、戦争に関係ある政府の職務に従事するあらゆる男女は、すべて生産的な業務から引き抜かれたのである。こういう事実があったにもかかわらず、連合国側の未熟練賃金労働者の健康状態はよくて、その一般的水準は、戦前戦後よりも高かった。・・・。要するに、戦争は、生産を科学的に組織すると、現代世界の労働能力をずっと減らしても、それで現代の民衆に十分楽な生活を送らせることができることを証明したのである。それでもし戦争が終わった際、人々を戦闘や軍需品製造にふりむけるために創められた科学的な組織を持ち続け、労働時間を四時間に切り下げてしまったなら、だれもが好都合になっただろう。だが、そうならないで昔の混乱が再び起り、働く義務のある人間は、永い時間働くようにされ、残りの人は、失業者として飢えるままにほっておかれた。」
B.ラッセル『怠惰への讃歌』堀秀彦・柿村峻訳、角川文庫(1958)、p.13

「貧乏人にもひまをあたえるべきであるという考え方には、いつも金持はぞっとしていた。イギリスでは、十九世紀の初期をみると、十五時間が、ひとりの人間の平日の労働時間であった。子供でも時々同じ時間働いたが、一日に十二時間労働がごく当り前のところであった。世話ずきのおせっかいが、どうもこんな時間は長すぎるようだと言い出したら、仕事のおかげで、大人は酒を飲まなくなるし、子供は悪戯しなくなるといって反対された。私の少年時代のことだが、都会の労働者たちが選挙権を得た直後、公休日が法律で制定され、上流階級の非常な怒りをかったことがあった。或る老公爵夫人が「貧乏人たちは、休日でどうしようとするつもりだろう。その人たちは働くべきだ」というのを聞いたことを思い出す。今の人々はそうはっきりいわないが、これと同じ感情が残っており、多くの私たち現代の経済混乱の源となっている。」pp.14-15

 原文は、容易にネット上でアクセスできる。アメリカの緑の党や、ヨーロッパのアナーキストのサイトに掲載されているところが興味深い。以下はその一つから拝借したもの。比較的短いエッセイなので、全文(英語)を引いておく。

続きを読む "B.ラッセル「怠惰への讃歌」(1932)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

Adam Smith | Aristotle | Bertrand Russell | Carl Schmitt | Collingwood | David Hume | Football | Immanuel Kant | Isaiah Berlin | John Stuart Mill | Jules-Henri Poincare | Katherine Mansfield | Max Weber | pops | Shinji Kagawa | sports | Stephen Toulmin | Strange Fruit | Thomas Hobbes | 「国家の品格」関連 | お知らせ | ももいろクローバーZ | アニメ・コミック | イスラム | タミフル(インフルエンザ) | ネオコン(Neocon) | ハンセン病 | パソコン・インターネット | フェミニズム・ジェンダー | 三島由紀夫 | 中世 | 中国 | 中野三敏 | 仏教 | 佐藤誠三郎 | 備忘録 | 古代 | 和辻哲郎 | 国制史 | 坂本多加雄 | 坂野潤治 | 夏目漱石 | 大正 | 大震災 | 天皇 | 学習理論 | 安丸良夫 | 宮沢賢治 | 尾藤正英 | 山田大記 | 山県有朋 | 川北稔 | 幕末・明治維新 | 徳川史 | 思想史 | 憲法 | 戦争 | 政治 | 政治哲学・政治理論 | 文化史 | 文学 | 斉藤和義 | 日本 | 日米安保 | 日記・コラム・つぶやき | 明治 | 映画・テレビ | 昭和 | 書評・紹介 | 朝鮮 | 本居宣長 | 村上淳一 | 東アジア | 梅棹忠夫 | 森 恵 | 歴史 | 歴史と人口 | 法哲学・法理論 | 渡辺浩 | 環境問題 | 知識理論 | 石井紫郎 | 石川淳 | 社会契約論 | 社会科学方法論 | 科学哲学/科学史 | 米国 | 経済 | 統帥権 | 美空ひばり | 羽入辰郎 | 自然科学 | 複雑系 | 西洋 | 言葉 | 読書論 | 資本主義 | 赤松小三郎 | 近現代 | 速水融 | 進化論 | 金融 | 金言 | 関曠野 | 靖国神社 | 麻生太郎