社会科学方法論 / Methodology of Social Sciences

2024年8月13日 (火)

塩沢由典『複雑さの帰結』1997年、の「解題集」

本書は、戦後日本の社会科学書のなかで、最も創造的、innovative な成果の一つです。その内容には、知識論(Knowledge theory)、人間行動論、習慣論(habit theory)も含まれ、人文学(主に理論哲学)にも影響を与えずにはおきません。従いまして私も本ブログにて幾度か論じているのですが、それにも関わらず出版社品切れとなっています。仕方が無いので、塩沢氏の他の著作のように文庫化されることを願いつつ、デジタルリソース化を弊ブログで試みることにしました。無論、著作権が存在しますから全文をデジタル化できません。

ただ、塩沢由典氏が単行本として論文集を編む際、収録論文の終りに大抵「解題」なる著者自身によるコメントが付されます。これは読者にとり、極めてありがたいものです。何故なら、執筆のいきさつ、執筆動機、論文集発行時現在での自己評価、補遺等を含むものだからです。この「解題」が丁度よい文量で各章に付随しています。これをデジタルリソース化してその全容を可能な限り多くの人々に知ってもらおうと計画しました。

いずれ、すべての各章「解題」を弊ブログに掲載する予定ですが、とりあえず、今回は、本書の中心論文である「複雑さの帰結」(1993年)の「解題」をupしてみることとします。

続きを読む "塩沢由典『複雑さの帰結』1997年、の「解題集」"

| | コメント (0)

2023年10月25日 (水)

Rose petals in the canyon

Amymartin_gc_from_above1536x1024

'Writing, I said to a friend, is like dropping a stone into a deep well and waiting for the splash. No, he replied, it is like dropping a rose petal into the Grand Canyon and waiting for the bang'. (1)

Now, this is how I could throw in a single petal, too. Let's wait for the explosion slowly, shall we?

 May 2004
                                          Hokari Minoru(保刈 実)

(1)  Greg Dening, Readings/ Writings, Carlton, Vic.: Melbourne University Press, 1998, pp.xix-xx
※Minoru Hokari passed away in Melbourne on 10 May 2004, a few days after this book was drafted. (Ochanomizu Shobo editorial department)

Above,
 Minoru Hokari, Radical Oral History - Historical Practices of the Australian Indigenous Apolligini, Iwanami Gendai Bunko/ Academic 380, Iwanami Shoten, 2018, pp.314-315, 'Afterword by the author'.
Adapted from.

The above was taught from
Koji Ogawa, What is World History - For "Historical Practice" -, Iwanami Shinsho, Series Historical Synthesis wo Manabu (3), Iwanami Shoten 2023, p.32,.

| | コメント (0)

峡谷に薔薇の花弁を

Amymartin_gc_from_above1536x1024

「・・・・。私は友人に、書くということは、深い井戸に石を落として、水しぶきが聞こえるのを待っているかのようだ、と言ったことがある。だが友人は、それは違うと言う。彼によれば、書くということは、グランドキャニオンにバラの花弁を落とし、爆発を待っているようなものだ、と。」(1)

さて、僕もこうして、一枚の花弁を投げ込むことができた。ゆっくりと爆発を待とうではないですか。

 2004年5月
                                                      保刈 実

注(1) Greg Dening, Readings/ Writings, Carlton, Vic.: Melbourne University Press, 1998, pp.xix-xx
※保刈実氏は、本書脱稿から数日を経た2004年5月10日にメルボルンにて逝去されました。(御茶の水書房編集部)

以上、
 保刈実『ラディカル・オーラル・ヒストリー —オーストラリア先住民アポリジニの歴史実践—』岩波現代文庫/ 学術380, 岩波書店2018年、pp.314-315, 「著者によるあとがき」
より、引用しました。

〔引用者註〕上記は、小川幸司『世界史とは何か   ―「歴史実践」のために—』岩波新書, シリーズ 歴史総合を学ぶ③、岩波書店2023年,p.32,より教えられた。

| | コメント (0)

2023年2月 8日 (水)

弊ブログ主のインタビュー記事、第2弾(2023年2月)

 弊ブログ主(renqingこと、上田悟司)のインタビュー記事が、前回 同様、『風餐UNPLUGGED』11号、に掲載されました。雑誌目次は本記事後半に掲載しました。 もしご関心をお持ちいただけるようなら、下記、編集部(連絡先メール・アドレス)までお問い合わせください。

問い合わせ先
風餐編集部(府川さん) logos380@qd5.so-net.ne.jp

※今回の弊インタビューのテーマは、複雑系経済学、です。


 追記しますと、本
誌中の、「OIL, WATER and ROCK Dominic Berry」は、西欧人による関曠野(英文)としては世界初(?)のものではないかと思います。ご関心を頂ければ幸甚。

※正誤表(2023/02/14)頁はすべて本誌。
p.45  〔誤〕塩沢由典プロフィール「中央大学商学部教授。現在に至る。」
        〔正〕塩沢由典プロフィール「中央大学商学部教授。2015年同退職。現在に至る。」
p.47  〔誤〕上田「この理論は塩沢さん、谷口和久、盛岡真史の三人が」
        〔正〕上田「この理論は塩沢さん、谷口和久、岡真史の三人が」

※塩沢由典氏のHP上(短信・雑感欄)で、お褒めの言葉を頂戴しました。ご参照頂ければ幸甚。
塩沢由典公式ホームぺージ(新しいPortal: 2021年11月から)

 

続きを読む "弊ブログ主のインタビュー記事、第2弾(2023年2月)"

| | コメント (0)

2022年3月25日 (金)

《知識の進化》と《進化の知識》:「ノイラートの船」と「進化のブリコラージュ」

 「ノイラートの船 Neuraths Schiff / Neurath's Ship」についての、日本語による簡にして要を得た説明は、岩波哲学・思想事典(1998年)の、野家啓一のものだと思います。そこではこう紹介/要約されています。

続きを読む "《知識の進化》と《進化の知識》:「ノイラートの船」と「進化のブリコラージュ」"

| | コメント (2)

2022年3月16日 (水)

Plato is our friend, but we are not Plato's friends /プラトンは我々の友だが、我々はプラトンの友ではない

The following article is an English translation by DeepL Pro of a past article on our blog, 「我々は過去へと関わるが、過去は我々に関わらない: 本に溺れたい(20161119)」. We felt that the title of the previous article was confusing, so we have changed the title of this English article to this one. Just in case.

続きを読む "Plato is our friend, but we are not Plato's friends /プラトンは我々の友だが、我々はプラトンの友ではない"

| | コメント (0)

2022年2月 4日 (金)

欧米的合理主義のなかに内在する不合理は何に由来するのか(1)

末木剛博『東洋の合理思想』2021年11月15日法蔵館文庫

 

 本書は、法蔵館から出版された同書単行本(2001年3月20日刊)の文庫版です。その単行本も、改訂増補新版で、元の本は下記です。

 末木剛博『東洋の合理思想』1970年8月16日講談社現代新書No.235

続きを読む "欧米的合理主義のなかに内在する不合理は何に由来するのか(1)"

| | コメント (0)

What is the origin of the irrationality inherent in Western rationalism?

Sueki,Takehiro, Rational Thought in the East, November 15, 2021, Hozokan Library

 This book is a paperback version of a book of the same title published by Hozokan (March 20, 2001). That book is also a revised and expanded new edition, and the original book is as follows.

 Sueki,Takehiro, "Rational Thought in the East," August 16, 1970, Kodansha Gendai Shinsho No.235

続きを読む "What is the origin of the irrationality inherent in Western rationalism?"

| | コメント (0)

2021年12月31日 (金)

過去は「anchor」である/ The past is an "anchor"

 塩沢由典氏の「カーン・ケインズ過程の微細構造」(1983年『経済学雑誌』大阪市立大)の、スラッファ経済における乗数効果の計算が、前々期、前期の変化を外挿して今期の需要量予想とするとマクロの産出量が発散してしまうのに対して、谷口・森岡方式では過去実績の数回平均を需要予想とするためマクロの産出量は収束する、という議論は、塩沢由典氏の『複雑さの帰結』(1997年NTT出版、pp.77-8)に記載されています。

続きを読む "過去は「anchor」である/ The past is an "anchor""

| | コメント (2)

2021年9月28日 (火)

「陰謀論」のラベリング効果(2) / The labeling effect of "conspiracy theories": 本に溺れたい

 弊ブログ記事(1)に、現代日本で最も尖鋭な理論経済学者塩沢由典氏からコメントを頂きました。せっかくですので、塩沢氏のコメントを記事に組み込んで応答させて頂くことにします。

続きを読む "「陰謀論」のラベリング効果(2) / The labeling effect of "conspiracy theories": 本に溺れたい"

| | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

political theory / philosophy(政治哲学・政治理論) abduction(アブダクション) AI ( artificial intelligence) Aristotle Bergson, Henri Berlin, Isaiah Bito, Masahide (尾藤正英) Buddhism (仏教) cinema / movie Collingwood, Robin G. Creativity(創造性) Descartes, René Eliot, Thomas Stearns feminism / gender(フェミニズム・ジェンダー) Football Foucault, Michel Greenfeld, Liah Hermeneutik(解釈学) Hirschman, Albert. O. Hobbes, Thomas Hume, David Kagawa, Shinji Kant, Immanuel Keynes, John Maynard Kimura, Bin(木村 敏) Kubo, Takefusa(久保建英) Leibniz, Gottfried Wilhelm Mansfield, Katherine Mill, John Stuart mimēsis (ミメーシス) Neocon Neurath, Otto Nietzsche, Friedrich Oakeshott, Michael Ortega y Gasset, Jose PDF Peak oil Poincare, Jules-Henri pops pragmatism Russell, Bertrand Schmitt, Carl Seki, Hirono(関 曠野) Shiozawa, Yoshinori(塩沢由典) singularity(シンギュラリティ) slavery(奴隷) Smith, Adam sports Strange Fruit technology Tocqueville, Alexis de Tokugawa Japan (徳川史) Toulmin, Stephen vulnerability(傷つきやすさ/攻撃誘発性) Watanabe, Satoshi (渡辺慧) Wauchopte, O.S. (ウォーコップ) Weber, Max 「国家の品格」関連 お知らせ(information) ももいろクローバーZ アニメ・コミック イスラム ハンセン病 三島由紀夫(Mishima, Yukio) 与謝野晶子(Yosano, Akiko) 中世 中国 中村真一郎(Nakamura, Shinichiro) 中野三敏(Nakano, Mitsutoshi) 丸山真男(Maruyama, Masao) 佐藤誠三郎(Sato, Seizaburo) 佐野英二郎 備忘録 内藤湖南(Naito, Konan) 加藤周一(Kato, Shuichi) 古代 古典(classic) 古書記 吉田健一(Yoshida, Kenichi) 和泉式部(Izumi Shikibu) 和辻哲郎(Watsuji, Tetsuro) 国制史(Verfassungsgeschichte) 土居健郎(Doi, Takeo) 坂本多加雄(Sakamoto, Takao) 坂野潤治 夏目漱石(Natsume, Soseki) 大正 大震災 学習理論 安丸良夫 宮沢賢治(Miyazawa, Kenji) 小西甚一(Konishi, Jinichi) 山口昌男(Yamaguchim, Masao) 山県有朋(Yamagata, Aritomo) 川北稔(Kawakita, Minoru) 幕末・明治維新 平井宜雄(Hirai, Yoshio) 平川新 (Hirakawa, Arata) 思想史(history of ideas) 感染症/インフルエンザ 憲法 (constitution) 戦争 (war) 折口信夫 文化史 (cultural history) 文学(literature) 文明史(History of Civilizations) 斉藤和義 新明正道 (Shinmei, Masamich) 日本 (Japan) 日米安保 (Japan-US Security Treaty) 日記・コラム・つぶやき 明治 (Meiji) 昭和 書評・紹介(book review) 服部正也(Hattori, Masaya) 朝鮮 末木剛博(Sueki, Takehiro) 本居宣長(Motoori, Norinaga) 村上春樹(Murakami, Haruki) 村上淳一(Murakami, Junichi) 松尾芭蕉(Matsuo Basho) 柳田国男(Yanagida, Kunio) 梅棹忠夫(Umesao, Tadao) 森 恵 森鴎外 (Mori, Ohgai) 概念史(Begriffsgeschichte) 歴史 (history) 歴史と人口 (history and population) 法哲学・法理論/jurisprudence Rechtsphilosophie 清少納言(Sei Shōnagon) 渡辺浩 (Watanabe, Hiroshi) 湯川秀樹(Yukawa, Hideki) 環境問題 (environment) 生活史 (History of Everyday Life) 知識再生堂 (Renqing-Reprint) 知識理論(theory of knowledge) 石井紫郎(Ishii, Shiro) 石川淳(Ishikawa, Jun) 社会契約論 (social contract) 社会科学方法論 / Methodology of Social Sciences 禁裏/朝廷/天皇 福沢諭吉 (Fukuzawa Yukichi) 科学哲学/科学史(philosophy of science) 米国 (United States of America) 紫式部(Murasaki Shikibu) 統帥権 (military command authority) 美空ひばり (Misora, Hibari) 羽入辰郎 (Hanyu, Tatsurou) 自然科学 (natural science) 荻生徂徠(Ogyu, Sorai) 華厳思想(Kegon/Huáyán Thought) 藤田 覚 (Fujita, Satoshi) 複雑系(complex system) 西洋 (Western countries) 言葉/言語 (words / languages) 読書論 (reading) 資本主義(capitalism) 赤松小三郎 (Akamatsu, Kosaburou) 身体論 (body) 近現代(modernity) 速水融(Hayami, Akira) 進化論(evolutionary system) 選択的親和関係(Elective Affinities / Wahlverwandtschaften) 金融 (credit and finance) 金言 関良基(Seki, Yoshiki) 靖国神社 高橋 敏 (Takahashi, Satoshi) 鮎川信夫 (Ayukawa, Nobuo) 麻生太郎 (Aso, Tarou) 黒田 亘(Kuroda Wataru)