「鐘」と「撞木」の弁証法、あるいは、プロンプトエンジニアリング(1)
社会学者の加藤秀俊が、『取材学』中公新書1975年に、interviewerとintervieweeの関係を、鐘と撞木に例えていました。鐘がすばらしく鳴るには、良い鐘であるとともに、撞き手の技量(問題領域に対する理解度、事前の準備、質問の工夫、質問者の知的水準、知的バックグラウンド)に左右される、と。まさに、chatGPT は、極めて優れた鐘であり、このAIに素晴らしい音を鳴らせることができるか否かは、この鐘の特性や傾向を理解して、どこを、どう撞けば、今の自分に最も有効な音をならせるか、という撞き手の手腕が露骨に出てしまう情勢まで、時代は来ているということです。
「問題の発見」「問題の定式化」「問題の提示」等に関して、その重要性を典型的に示すのは、数学の世界です。
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