昭和

2012年10月15日 (月)

ある俗謡

以下は、東京オリンピックの前後、東京多摩地方の小学生たち(もちろん男子)が下校途中で列をなして大声で唄っていた俗謡である。民俗学的資料として提供する(笑)。

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2007年5月18日 (金)

日本国憲法は、1946年、すでに「改正」されている

 日本国憲法は、昭和21年(1946)に公布される時点で、すでに「改正」済みである。

 ではいかなる意味でそう言えるのか。そのことのリアリティを実感してもらうため、一つのシミュレーションをしてみよう。現行の憲法がいかにあなたを守ってくれないか、という実験である。

〔註〕本記事は、「あなたが、ある朝突然、逮捕されたとき、」05/11/17、という過去記事の焼き直しである。国民投票法成立を「祝」して、再度掲載し直してみることとする。

Question 「あなたが、ある朝突然逮捕されたとき、日本国憲法(1946)はあなたを守ってくれるのか。」

 すぐ、私たちが頼りにしなければならないのは、第33、34条である。

〔逮捕の制約〕
第33条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

〔抑留及び拘禁の制約〕
第34条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

 あなたは、二つの事をすぐ実行する必要がある。

1)「逮捕令状を確認させて下さい。」、と令状を確認する。任意同行なら拒絶できるが、拒絶の仕方に難癖をつけて、公務執行妨害の現行犯として逮捕される可能性もある。

2)「弁護人を依頼します。(例えば)東京弁護士会の弁護士を選任しますから、連絡させてください。弁護士が来るまで、黙秘権を行使します。」

 ただ、警察官たちは、権利の説明をしながら、怒涛のように、あなたを何人もの捜査員で取り囲み、パトカーに押し込む。すると、弁護士会に連絡するのは、警察署に連行されてからになる可能性が高い。

 問題はここから。警察官たちは、あなたを取調室に連れてきて、尋問を始める。そして、あなたの外部への連絡の要請を、のらりくらりと先延ばし、はぐらかしつつ、尋問を続ける。また、捜査員たちは、あなたを休ませないように、複数捜査員が交代であなたの取調べを延々と続ける。

 無実の罪だから、物的証拠はない(当然だ!)。すると、自白の実質的強要を画策する。それで、最も効果的なのは、上記のような外部との遮断、および疲労である。

 日本の刑事事件で冤罪が絶えないのは、憲法第38条で、自白の証拠能力について留保がついているにも関わらず、裁判でも自白が重視され、それにあわせて、捜査員たちが自白を創造してしまうためだ。

〔自白強要の禁止と自白の証拠能力の限界〕
第38条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

 それらの防ぐには、最低限、被疑者が外部と連絡する権利が保障されている必要がある。それを「外部交通権」という。現行の1946年憲法ではその点が明示されていない。

 ところが、マッカーサー憲法案では、しっかり存在していた*。↓

《 he shall not be held incommunicado. 》*
「何人も、外部との連絡を一切遮断されたままで留め置かれることはない。」

 何のことはない、日本側の役人によって、削除されていたのである。

 また、外国の例で言えば、スイス憲法第31条第二項では、

Article 31  Habeas Corpus
(2) In particular, he or she has the right to have his or her close relatives informed.
特に、最も身近な親族にその旨を告げる権利を有する。

、という形で、「外部交通権」を保障する工夫をしている。

 憲法の“柔軟な”解釈運用は、結局、憲法の名宛人である“霞ヶ関”の恣意的な解釈を許してしまう。日本の1946年以降の半世紀はその連続だ。それは、彼らが、実は《改憲》より歓迎する、《憲法=法》の空文化、を可能とさせてきた。

 例えば「外部交通権」を明文化する憲法条項の改正は、恣意的憲法運用を防ぎ、より明確に権力者たちを縛る改正の、一つの例といえよう**。

〔註〕

*マッカーサー草案については、下記を参照。

国会図書館(NDL)、日本国憲法の誕生、資料と解説、第3章 GHQ草案と日本政府の対応、
3-15 GHQ草案 1946.2.13

**「外部交通権」を含む問題については、日弁連の下記サイト記事を参照。
第56回定期総会・未決拘禁制度の抜本的改革と代用監獄の廃止を求める決議

○また、「国民投票法」に関しても下記を参照。
日本弁護士連合会

○1946年憲法の成立過程を振り返りたい方は、ぜひ下記を参照されたし。
日本国憲法の誕生

○国民投票法については下記参照。
参議院ホームページ

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2007年4月30日 (月)

曼珠沙華/山口百恵(1979年)

 renqingには、山口百恵の曲で好きなものが二つある。「夢先案内人」1977年と、この「曼珠沙華」1979年だ。前者はリアルタイムで聞き(ま、歳がバレますな)、後者は彼女の引退後、ベストアルバムを購入して知った。

 この二つは随分と趣の異なる曲だ。しかし、2年間しかその間はあいていない。彼女の歌手としての懐の深さを物語っているのだろう。

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2007年4月13日 (金)

挫折と再生

「日本は万事が処世術で片付く、ある意味では幸福な国である。しかしマルクス主義者は、この日本の風土のなかで政治には思想と原則が必要なことを主張してきた人々である。せめて彼らぐらいは、挫折によって逆説的に勝利するという先例を日本精神史上に残してほしいと私は思った。思想と原則に拠って生きることの厳しさを感じさせるような滅び方をしてほしかったのである。

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2007年4月 3日 (火)

「言葉の力」を思い出させるエッセイ

「ところで、週末になるとホテルの酒場の様子は一変した。平日の夜は、スウェーデン人技師とぼくとが殆ど毎晩同じような話を繰り返しているだけで、あとはひっそり静まり返っている酒場は、土曜の夜には泥酔者たちで大荒れとなった。それは、回教の戒律がもっと厳格な南の方で、油田の開発に従事している欧州や米国からの人々が、強い酒に酔うために、大挙して北上してくるからであった。
 その中の何人かの人びととは次第に顔馴染になってゆくのであるが、彼らの中には、明らかに大戦中どこかの遠い荒い海に、長い間出ていたような匂を持ち続けている人たちがいた。
 あの、あお黒く光る鋼鉄の機械油のにおいを、ぼくらは相互のどこかに探り当てながらも、しかしながら、そこから先には踏み入らなかった。お互いに、浅くしか眠ることが出来なかった夜々のことを、おたがいの不運な時代のことを、ぼくらはまだ打ち明けることが出来なかった。」
佐野英二郎『バスラーの白い空から』青土社(2004年)、p.65-6

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2007年1月 4日 (木)

モーツァルト vs. 美空ひばり

 テレビ朝日で、毎週日曜日の午前中に「題名のない音楽会」という長寿番組がある。故作曲家黛敏郎が長く司会を務めていた。これに、元気な頃の美空ひばりが出演し、オペラのアリアを歌ったことがある。この放送を自宅で収録したビデオを「自分の宝物の一つだ」と公言していたのが黛の盟友で、指揮者の故岩城宏之だった。100個もの楽器で演奏される複雑なオーケストラの中で、主旋律を奏でるピッコロをその耳で聞き分け、しっかりメロディに乗って歌う美空ひばりに感嘆して、岩城は黛にこう語ったという。

「クラシック音楽の世界で、天才といえばただ1人、モーツァルトしかいない事になっているんだが、僕は美空ひばりをそこに加えたい。」

 他にも、岩城にはこんな発言がある。

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2006年11月19日 (日)

受動態は、主体を消す

 反戦老年委員会さんを久々に訪れた。すると、今や北朝鮮を巡る東アジア外交において完全に聾桟敷(つんぼさじき*)状態の某国の、首相、ABE氏の著書を正面から取り上げ、忌憚のない批判「政治家失格」を浴びせておられた。某国のこの状態そのものは、この真に頭の悪い政治家を、恐れ多くも首相(“Primus inter pares”同輩中の首位の者!!)に据えていることの反映なので、これといった感慨もない。

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2006年2月 4日 (土)

言葉のない遺言*

 無言館、 それをあなたはご存知だろうか。

 大東亜戦争で没した画学生たちの遺作を収蔵している美術館のことである。

 その展覧会が全国巡回中で、明日(2/5)の尾道市立美術館で終了となる。もし、近くに住まわれているなら是非一度はご覧になるべきだと信じる。私はと言えば、NHKの番組で涙を流しただけだ。機会をつくり、信州上田の本館へ伺いたいと思っている。下記サイトもご覧戴きたい。

1)無言館のこと

2)ARCHITECTURAL MAP 無言館

3)無言館(戦没画学生慰霊美術館)

*アンデルセン童話の「絵のない絵本」を真似てみました。アンデルセンも昨年生誕200年。別に記事を書くつもり。毎晩、できるだけ0:15に掲載することにしていますが、この記事は急ぐ必要もあり、今(12:50)掲載します。そのため、今晩の記事更新の代わりとさせて下さい。悪しからず。明晩、藤原正彦『国家の品格』2005年の、ちゃんとした書評を掲載します。乞うご期待。

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2006年1月26日 (木)

金色夜叉、青の時代、ホリエモン

 私は三題話が好きである。

 さて、ホリエモンは、間貫一*か、川崎誠**か。膨大な資産を既に海外へ送金済みという噂も聞くので、両者より、徹底して喰えない野郎だね。その悪党ぶりは賞賛に値する。

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2006年1月 6日 (金)

《日英同盟廃棄》の道を行く「日米安保条約」

日英同盟廃棄の歴史的過程と、現在の過程はそっくり。

1.英vs.露の緊張化→極東における英国の代理人としての日本→日英同盟の成立
  ↓
2.第一次大戦による国際関係の激変→中国を巡る日露の接近、英米の緊密化
  ↓
3.日英同盟の英側メリットの極小化→日英同盟破棄

 2の部分が、冷戦終結と軌を一にします。とすれば、3が出てくるっていう寸法です。

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