書評・紹介(book review)

2023年2月 8日 (水)

弊ブログ主のインタビュー記事、第2弾(2023年2月)

 弊ブログ主(renqingこと、上田悟司)のインタビュー記事が、前回同様、UNPLUGGED 11号、に掲載されました。雑誌目次は本記事後半に掲載しました。 もしご関心をお持ちいただけるようなら、下記、編集部(連絡先メール・アドレス)までお問い合わせください。

問い合わせ先
風餐編集部(府川さん) logos380@qd5.so-net.ne.jp

※今回のテーマは、複雑系経済学、です。

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2022年12月17日 (土)

価格を決定するものは、「需要」ではなく、「費用」である(2)/ What determines price is not "demand" but "cost" (2)

 前回 の補遺のようなものを書きます。

 前回触れた、塩沢由典の「最小価格定理」に関しては、以下の論文も啓発的で、この定理についての理解を深めてくれます。

1)塩沢由典「生産性、技術変化、実質賃金」『季刊 経済理論』vol.56,no.3, 2019年/10月

上記の論文は、下記、J-STAGEサイトからPDFファイルとしてDLできます。

https://doi.org/10.20667/peq.56.3_7

 SMTの理論的帰結を、かなり簡潔に具体的データを利用して説明したものです。とりわけ「最小価格定理」から実際の経済問題を分析するとどのようなことが言えるかを語っていて、この定理の重要性、切れ味がよくわかります。途中、ベクトルや行列の計算式がありますが、躊躇せず、最後まで読むことをお勧めします。

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2022年12月15日 (木)

What determines price is not "demand" but "cost"

 Relative prices are determined by cost, not demand, is the most important proposition of the Theory of Value, which has been handed down from the classical school to Sraffa. The neoclassical champion, K. J. Arrow, has elaborated on this argument in a negative context, which I will quote from three places.

Kenneth J. Arrow, Frank H. Hahn, General competitive analysis, (Advanced textbooks in economics, v. 12), North-Holland, 1st ed. 1971 5th pri. 1988

 

Evaluation of K. J. Arrow's "Non-Substitution Theorem"

Chapter 1 Historical Introduction, p.14
Samuelson [1951] and Georgescu-Roegen [1951] showed that with one primary factor it is still true that relative prices of produced goods are determined by the tehnology, independent of demand conditions. This is, in a certain sense, a suprising resuscitation of the classical theory in which prices are determined by supply conditions alone. Since competitive production always minimizes costs, it follows that the technique actually chosen for the production for any commodity is also independnt of demand conditions, though it will depend, in general, on technological conditions in other industries. For more extended discussion, see Section 2.11.

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価格を決定するものは、「需要」ではなく、「費用」である/ What determines price is not "demand" but "cost"

 相対価格は、需要ではなく、費用によって決まる、とは、古典派から Sraffaまで連綿として継承されている Theory of Value(相対価格理論)の最も重要な命題です。この議論を、新古典派のチャンピオンである、K. J. Arrow がネガティブな文脈で詳説していますので、3箇所から引用しておきます。

アロー, ハーン [著] ; 福岡正夫, 川又邦雄訳『一般均衡分析』岩波書店, 1976.3

 

K. J. Arrow の「非代替定理」に対する評価

岩波版p.14、第1章序説、第7節、Arrow筆
「サムエルソン[1951]とジョルジェスク=ロェージェン[1951]は、そのような事例でも本源要素がただ一つであれば、生産物の相対価格はやはり需要から独立に技術によって定まるということを証明した。これはある意味では、価格がもっぱら供給の条件のみから定まるという古典派理論の瞠目すべき復活である。競争下での生産の事態がつねに費用を最小化するので、どの財についても事実上採択される生産方法は、(一般に他産業の技術条件には依存するが)需要条件からは独立となるのである。一そう一般化された議論については、さらに第2章の第11節を参照されたい。」

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2022年12月 8日 (木)

運命と和解する/中村真一郎

彼の穏雅な性格は、挫折のなかにも日常の小さな喜びを発見する才能となり、それが最も不遇だった梁川時代の「八景図」」のなかでも、領民の農家の男女の生活ぶりへの暖かい目となって私たちに伝えられ、この人物はいかなる時にも、運命と和解することを知っていた、生に対して肯定的態度を維持しつづけた賢人であったと教えてくれる。
蠣崎波響の生涯』新潮社 1989年、p.662

※ご参照 乙箇吐壹(イコトイ):夷酋列像 (1790年)/蠣崎波響: 本に溺れたい

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2022年11月29日 (火)

Microfoundations of Evolutionary Economics (Evolutionary Economics and Social Complexity Science, 15), 2019/7/10

Yoshinori Shiozawa, Masashi Morioka, Kazuhisa Taniguchi
Microfoundations of Evolutionary Economics
Springer; 1st ed. (2019/7/10)
364 pages
ISBN-10 : 4431552669

※ Below is an essay I submitted to Amazon Reviews.

===================================
"a great breakthrough--an achievement of paramount importance"

The following is a quote from the following book.
Marc Lavoie, Post Keyensian Economics 2nd Edition (2022), p. 191,Edward Elgar Pub, 2022/5/31

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2022年11月28日 (月)

尾藤正英著『日本の国家主義 「国体」思想の形成』2020年岩波書店(オンデマンド版pbk)

 故尾藤正英氏の、思想史関連(近世/近代日本の国家思想史)の論文を集めたものです。白眉は、「尊王攘夷思想」1977年、「国家主義の祖型としての徂徠」1974年、の二編。

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2022年11月12日 (土)

Failure is a part of learning / 失敗は学びの一部である

James Dyson, Invention, A life of Learning Through Failure, 2022, Simon & Schuster, pbk
ジェームズ・ダイソン『インベンション 僕は未来を創意する』川上純子訳、2022/05/24、日本経済新聞出版

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2022年11月 7日 (月)

Feasibility of freedom/自由の実現可能性

 Students who were happy to work on such a particular assignment with such restrictions, and who gave excellent answers, were completely at a loss as to what to do once they were given the freedom to change the restrictions at their own discretion.
 Whatever we are, we operate under a variety of constraints. And not all restrictions are bad, but there are "just the right restrictions," and because of these restrictions, there is also the joy of letting the wings of human intellect flap freely.
Masahiko Sato, "Monthly Newspaper," Chuko Bunko, September 2009, "Tanoshii seiyaku" p.103

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自由の実現可能性 / Feasibility of freedom

 あんな制約のある特殊な課題には喜々として取り組み、素晴らしい答えを出した学生が、自分の裁量で自由に制約を変えられるとなった途端、まったくどうしていいのかわからなくなったのです。
 僕たちは何であれ、様々な制約の下で活動しています。そして制約がすべて悪い方に働くのではなく、『丁度いい制約』というものがあり、その制約があるからこそ、人間の持っている知性という翼を自由にはばたかせる喜びもある。
佐藤雅彦『毎月新聞』2009年9月中公文庫、「たのしい制約」p.103

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