「国家の品格」関連

2008年1月20日 (日)

「悲しみ」の悲しみ

 藤原正彦は、言論家としては unco 以外の何者でもない。ただ、随筆様のものであれば、彼が優れた書き手であることは、この私でも認める。

 さて、彼の秀逸な随筆なことである。題名を「得失の不公平」という。収められてるのは、下記の本らしい。らしいというのは、あるきっかけでたまたまこの文章を眼にしただけだからだ。ご関心をもたれた方は、図書館なりからでも借りて読まれたし。

「何かを得た時の喜びと、何かを失った時の悲しみは、まったく質が異なると思う。前者が比較的に短期間で断続的なものであるのに、後者は長期間で連続的なもののように見える。得たものはいつも身の回りにあるせいか、時日をおかず現実の一部となるのに、失ったものは二度と取り返しがつかないから、その空洞がいつまでも胸に迫るのだろう。喜びや幸せに比べ、悲しみや不幸の方が深く永続的、というのは人間の負う最大の不公平かと思う。」

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2006年5月13日 (土)

情緒の欠如

FRENCH BLOOM DATA BASE」さんの、

若者差別-フランスのCPEをめぐるデモ(2)

で触発され、コメント欄で思わず熱弁を振るってしまいました。それを再掲します。二番煎じですがご勘弁。

再掲開始

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2006年4月24日 (月)

優れた「国家の品格」批判blog(4/26追加)

 以下に、藤原正彦著「国家の品格」を、強烈に、そして効果的に批判するblogを紹介しておこう。

「愛と苦悩の日記」書籍カテゴリー中の2006/04/下旬あたり
*このあたりに集中して掲載されている。リンクが切れていたので、訂正。(2007/01/08)

 その舌鋒の鋭さとパワーに敬服。私はさすがに、もうあの天才バカ本を扱う元気ありません。

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2006年3月 7日 (火)

「国家の品格」関連、カテゴリーを作成しました

 ものぐさ*を決め込んでいたら、な、なんと、「日記はこれから書かれるところです。」さんが、業を煮やして、関連リンクを作ってくれてしまいました。まことに恐縮、汗顔の至り。急遽、「国家の品格」関連、というカテゴリーを作成し、関連する記事にこのカテゴリーを貼り付けました。

 ついでに、「武士道」とは、「衆道」、つまり、ゲイ gay の道でもあることを、‘衆知’のものとしたいので、「プラトニック・ラブ」にも、このカテゴリーを貼り付けました。皆さん、よく読んでおいてくださいね。

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2006年3月 5日 (日)

『国家の品格』書評をbk1とamazonに乗せました

 以下、bk1 と amazon.co.jp に掲載した書評の後半部分の再掲載。自分のblogでは、この視点は書いてなかったので、念のため記しておきます。読みたい方はそれぞれへ飛んでください。

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2006年2月28日 (火)

藤原正彦 『国家の品格』 新潮新書 2005年(番外編/最終回)

 いわゆる「産業革命」(この語も、歴史学の上ではだいぶ怪しくなってきたが)で、高校世界史あたりに出てくる、ニューコメン(蒸気機関)、ワット(蒸気機関)、トレビシック(蒸気機関車)、スティーブンソン(蒸気機関車)、等は、職人、もしくは、技師であって、科学者ではない。そもそも、イギリス(他の西洋諸国も含めて)の大学は、牧師、法律家といった、社会統治に関わる専門家を養成するためにできているのであって、イギリスに工学部(らしき)ものが出現したのは19C.も終わりである。それも、明治のお雇いイギリス人ダイヤーが大陸諸国のような先進的工学教育を目指して設立した工学寮(後の東大工学部)の成功を、ダイヤーが母国に戻って喧伝してからなのだ。ひょっとすると、工学部の起源は日本かもしれない。たぶん、ドイツが先だと思うが。

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2006年2月21日 (火)

藤原正彦 『国家の品格』 新潮新書 2005年(番外編2)

 番外編に番号がつくというのも、いささか矛盾を感じるが、ま、それはそれ。本日も時間が全く無いので、簡単に図式化する。

  魔術・錬金術 → 数学・物理学・化学  例 I.ニュートン(物理学者&錬金術師)

  芸術・建築 → 技術・工学  例 ダ・ヴィンチ(絵描き&建築家)

 この全く起源を異にする流れが合流する画期は、19世紀後半に天才科学者マクスウェルが天才職人ファラデーの仕事を総括し《電磁気学Treatise on Electricity and Magnetism》(1873)を著したこと、および、ドイツがイギリスに追いつくために、研究所システムを創出し、そのなかで、鉄鋼業の炉心温度測定のためのスペクトル分析から前期量子論が偶然にも誕生したことだった。(続く)

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2006年2月20日 (月)

藤原正彦 『国家の品格』 新潮新書 2005年(番外編)

 うーむ、いい加減、この本から離れたかった。しかし、短時間に記事を書く必要から、すぐに思いつく事が、この本への文句しかなかった。我ながら情けない。(-_-;

p.16「 このように十世紀間という長期にわたり非常に遅れていたヨーロッパで、まずルネッサンス、続いて宗教改革、ガリレイやニュートンなどによる科学革命が起こり、理性が解放されるようになって、ヨーロッパは初めて論理や近代的合理精神というものを手にした。これによって産業革命が起こり、その後の世界は欧米にやられてしまったのです。」

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2006年2月19日 (日)

藤原正彦 『国家の品格』 新潮新書 2005年(9/最終回)

 藤原氏は、人間は二種類いる*、と信じているらしい。引いてみよう。

p.83**
「・・・。過去はもちろん、現在においても未来においても、国民は常に、世界中で未熟である。したがって、『成熟した判断が出来る国民』という民主主義の前提は、永遠に成り立たない。民主主義にはどうしても大きな修正を加える必要があります。」

p.83
「・・・。真のエリートというものが、民主主義であれ何であれ、国家には絶対必要ということです。この人たちが、暴走の危険を原理的にはらむ民主主義を抑制するのです。」

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2006年2月18日 (土)

藤原正彦 『国家の品格』 新潮新書 2005年(8)

 本来は、別の記事として書くべきであるが、先の関曠野からの引用が多少中途半端な面もあるので、もう一つ引用することをお許し願いたい。ちなみに、この、

 関曠野 『歴史の学び方について』窓社1997

の、第II部「自由と国家を問わずして歴史は語れない」は、おそらく戦後日本で世に問われた政治思想史として、最も優れたものの一つと私は考える。この本の、学術書とはいえない体裁や分量、著者に官立大学の肩書きがない、などに惑わされてほとんど見過ごされているが、旧約思想を起点として、人間とは何か、人間にとって歴史とは何か、という旧約のテーマを掘り下げつつ、一貫した(西洋)政治思想の叙述というのは、日本では他に見当たらないと思う。外国文献などほとんど知らない私だが、例えば、20世紀イギリスが生んだ最も優れた歴史哲学の書と評される、コリングウッド『歴史の観念』(1946)*を一瞥しても、その第二部「キリスト教の影響」においてさえ、旧約思想に一顧も与えていない。それからすると、西欧の知的世界でもそのアプローチは特異なものと言えるかも知れない。思想の質として、私にはI.バーリン(Isaiah Berlin)とつながるものを感じる。現代ヘブライ語などてんで分からないので、イスラエルの政治思想史の本はわからないが。

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