統帥権

2007年3月23日 (金)

岡義武『山県有朋 -明治日本の象徴-』岩波新書1958(2)

 名著の誉れ高い本書が一昨年に復刊された(2005年)ことは、天下の読書子に朗報であり、まだ品切れでないことはさらに天恵と言ってもよかろう。新書の品切れ中、『岡義武著作集』第五巻(岩波書店1993年)として、単行本の形で復刊はされていた。ただ、なにしろ定価六千円である。あまり気軽に買える代物ではなかった。その単行本も今は品切れ。廉価に入手できることを愛書家とともに祝おう。

続きを読む "岡義武『山県有朋 -明治日本の象徴-』岩波新書1958(2)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月22日 (月)

明治constitutionは近代主権国家であったか?(2)

《輔弼ほひつ
 輔弼とは、「大日本帝国憲法において,天皇の大権行使に誤りがないように意見を上げる行為」*、のことをいう。逆に言えば、もし、天皇の大権行使に誤りがあったら、その行為の結果についての、天皇に対する責任は、輔弼した国務大臣にある。禁裏様がブチ切れて、「お前の輔弼意見で、俺が間違えちゃったじゃないかよぉ。お前、クビ+俺の前に二度と姿を現すな!」って、怒髪天を衝くこともあるわけだ。つまり、輔弼と責任は完全にリンクしていて、輔弼していれば責任があるし、責任をとるからこそ輔弼されたら、禁裏様は(内心イヤでも)それを採用しないわけにはいかないことになる。

続きを読む "明治constitutionは近代主権国家であったか?(2)"

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2006年5月15日 (月)

明治constitutionは近代主権国家であったか?(1)

 明治の国制(constitution)は、果たして近代主権国家の名に値するものだったのか。このことを、軍と明治憲法によるその依法的統制=シビリアンコントロールから考えてみたい。

 事は明治初期の太政官政権時代から始まる。簡単に言えば、政、軍のうち主導権は政にあった。

続きを読む "明治constitutionは近代主権国家であったか?(1)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月18日 (火)

明治憲法の論理構造

 伊藤博文の『憲法義解』が見当たらない。自分の所蔵本が見当たらないのはいつものことだが、近所の自治体図書館にもないし、岩波文庫版も品切中。最低限、この本は手元において書きたい。ということで、もうちっと、お待ちを。

 そうは言っても、言い訳だけでは埋め草にもならないので、お時間のある方は、下記のサイトなど、お読み戴ければと存じます。

明治憲法のもとで軍の文官統制の可能性

統帥権の独立

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年8月 2日 (火)

統帥権と統治権

明治憲法下の統帥権」の続編。

万が一、統治権と統帥権が明治憲法上、別に解釈されるとしても、第五十五条における、国務大臣の天皇輔弼条項には、「統帥」と「統治」の区別がないので、いずれにせよ、統帥事項であっても、国務大臣の輔弼・副署が必要となることには変わりはない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年7月18日 (月)

明治憲法下での統帥権

 統帥権というとその後ろに「独立」という言葉がどうしても付いて回ります。しかし、明治憲法下で統帥権がどうなっているのか。憲法の条文からわかることは以下のことです。

1)第一条 統治の主体としての天皇。

2)第三条 「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」(この憲法下にあっては天皇はいかなる責任遡及もされない=天皇の無答責)

3)第四条 天皇による統治権の総攬および「此ノ憲法ノ条規ニヨリ」統治権を行使する。

4)第五十五条 「国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス」
         (国務大臣の天皇輔弼責任)
        「凡テノ法律勅令其ノ他国務に関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス」
         (国務大臣の副署の必要性)

5)第十一条 天皇による陸海軍の統帥

6)第十二条 天皇による陸海軍の編制、常備兵額の決定

 つまり、こうなります。

続きを読む "明治憲法下での統帥権"

| | コメント (8) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

Adam Smith | Aristotle | Bertrand Russell | Carl Schmitt | Collingwood | David Hume | Football | Immanuel Kant | Isaiah Berlin | John Stuart Mill | Jules-Henri Poincare | Katherine Mansfield | Max Weber | pops | Shinji Kagawa | sports | Stephen Toulmin | Strange Fruit | Thomas Hobbes | 「国家の品格」関連 | お知らせ | ももいろクローバーZ | アニメ・コミック | イスラム | タミフル(インフルエンザ) | ネオコン(Neocon) | ハンセン病 | パソコン・インターネット | フェミニズム・ジェンダー | 三島由紀夫 | 中世 | 中国 | 中野三敏 | 仏教 | 佐藤誠三郎 | 備忘録 | 古代 | 和辻哲郎 | 国制史 | 坂本多加雄 | 坂野潤治 | 夏目漱石 | 大正 | 大震災 | 天皇 | 学習理論 | 安丸良夫 | 宮沢賢治 | 尾藤正英 | 山田大記 | 山県有朋 | 川北稔 | 幕末・明治維新 | 徳川史 | 思想史 | 憲法 | 戦争 | 政治 | 政治哲学・政治理論 | 文化史 | 文学 | 斉藤和義 | 日本 | 日米安保 | 日記・コラム・つぶやき | 明治 | 映画・テレビ | 昭和 | 書評・紹介 | 朝鮮 | 本居宣長 | 村上淳一 | 東アジア | 梅棹忠夫 | 森 恵 | 歴史 | 歴史と人口 | 法哲学・法理論 | 渡辺浩 | 環境問題 | 知識理論 | 石井紫郎 | 石川淳 | 社会契約論 | 社会科学方法論 | 科学哲学/科学史 | 米国 | 経済 | 統帥権 | 美空ひばり | 羽入辰郎 | 自然科学 | 複雑系 | 西洋 | 言葉 | 読書論 | 資本主義 | 赤松小三郎 | 近現代 | 速水融 | 進化論 | 金融 | 金言 | 関曠野 | 靖国神社 | 麻生太郎