無知のヴェール(veil of ignorance)
「・・、各当事者は、人間についての一般的な事実 - 世の中には、健康な者もいれば病弱な者もおり、裕福な者もいれば貧乏な者もいるというような事実 - は知っているものの、自分自身の属性 - 自分自身が健康か病弱か、裕福か貧乏か、有職者か無職者か、自分はどのような生き方を善いとするか - についての情報はまったく与えられていないのである。」
平野仁彦・亀本洋・服部高宏『法哲学』有斐閣(2002年)、第1章、p.15
上記は、ロールズ(John Rawls)の正義論において、人々が原初状態(original position)から、契約状態に移行する際、ロールズのいう「正義の二原理」をもし採択するならば、こういう条件がなければならないだろう、として掲げた、仮定ないし条件の一つだ。それを「無知のヴェール veil of ignorance 」という。
ただ、上記教科書の説明の仕方はちとどうかと思う。「自分自身が健康か病弱か」、「裕福か貧乏か」なんて判断できないなら、そもそも意思能力、民法第7条の「事理を弁識する能力」(事理弁識能力)がない状態としか言えないだろう。それでは契約もできまい。
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