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2005年9月27日 (火)

雪送り、雪迎え

蜘蛛が空を飛ぶ。こんなことをご存知だったろうか。

たまたま、日曜の夜、車を運転しながら、某国営ラジオをつけたら以下の本の紹介をしているところだった。

錦 三郎『飛行蜘蛛』
笠間書院
ISBN : 4305702800
発行年月 : 2005.6
丸ノ内出版72年刊を復刻。

 何やら面白そうなので、耳をそばだてていたら、なんと、クモが空を飛ぶのだそうだ。子グモが分散して独立生活をするために、お尻から糸をだして、それを風にたなびかせ、その浮力で遠くまで移動するのだという。上昇気流に乗れば上空数千メートルまで舞い上がり、陸地から何百kmも離れた絶海の孤島にもいくことができるとのこと。

 春先に見られる、クモの空中浮遊を「雪送り」、秋口に見られるものを「雪迎え」といい、後者は、山形県米沢盆地などでみられるという。蜘蛛の糸だけが飛んでいるものを遊糸(ゆうし) gosamer と言う。

 このへんのことを世界で初めて詳しく調べたのが錦三郎らしい。この本にはそういった自然科学上の知見だけでなく、シェークスピアなど文学作品に現れる《飛行クモ》を追求した本とのこと。

 それで一つ思い出したのが、戦時下昭和18年に作られたアニメーション「くもとちゅうりっぷ」。確か、テレビ番組でさわりだけを見たときも、クモが風で飛んでいく場面があったと思う。

 上の自然科学上の記述は、平凡社世界大百科事典(1998)によっているが、なぜか、錦三郎については一言も記述がない。少し釈然としない感じだ。

1)錦三郎については下記も参照。
http://www.bigai.ne.jp/~miwa/miwa/e_gossamer.html

2)「くもとちゅうりっぷ」のことは下記を参照。
日本漫画映画の全貌

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