大日本国憲法第8条
大日本国憲法
第8条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。
2* ただし、左の各号の一に該当する場合においては、その度ごとに国会の議決を経なくても、皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が財産 を譲り受け、若しくは賜与することができる。
一 相当の対価による売買等通常の私的経済行為に係る場合
二 外国交際のための儀礼上の贈答に係る場合
三 公共のためになす遺贈又は遺産の賜与に係る場合
四 前各号に掲げる場合を除く外、毎年四月一日から翌年三月三十一日までの期間に、皇室がなす賜与又は譲受に係る財産の価額が、別に法律で定める一定価額に達するに至るまでの場合
注* この条項は、実は現行法規そのままだ。これを「皇室経済法」という。挿入した箇所は、その第二条による。ま、天皇家がスーパーで買い物するときにも、いちいち国会の議決を必要とするんじゃ、そりゃぁ、大変ですわよねぇ。だから、この内容は合点がいく。ただ、へんなのは、この皇室経済法が、憲法の一部じゃなくて、単なる法律に過ぎないことだ。
つまり、憲法で定めたことの例外を、なぜ法律で規定できるのだろうか。うーん、どう考えても間尺に合わない。おかしい。
日本国憲法第10条(国籍条項)や、第92条(地方自治の基本原則)のように、憲法上にそのコンテンツがなく、その穴埋めを法律に委ねているのも変だが、変は変なりに、法理として合点がいく。しかし、憲法上に、「細かいところは法律でよろしくねー」と明記されていないのに、いきなり、「皇室経済法」という憲法の下位法で、憲法の例外を規定できるのだろうか。
どう考えても、この「皇室経済法」は、単純に、違憲立法だ。現行の日本国憲法第8条が不合理なら、変えるしかなかろう。
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コメント
発表!大日本国国歌
天皇日の丸日本の象徴
理屈をいうのは非国民
みんなで仲良くいじめよう
*我ながら気に入っているので、以前某掲示板に投稿したのを採録してしまいました。
投稿: 松本和志 | 2005年11月24日 (木) 06時58分