厚生労働省に二度殺される赤ちゃんたち
あなたは、ハンセン病療養所で生を受けようとした胎児たちが、標本としてホルマリン漬けにされていることをご存知だろうか。
ハンセン病療養所の胎児標本、年度内に埋葬・供養へ
(朝日新聞2005年11月28日 (月) 15:59、リンクが切れる恐れがあるので全文貼り付けます。)
〔貼り付け開始〕
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厚生労働省が設けた第三者機関「ハンセン病問題に関する検証会議」(座長・金平輝子元東京都副知事)の調査で今年1月、国立ハンセン病療養所など6施設に100体を超える胎児・新生児の標本が確認された問題で、同省は28日までに今年度中に焼却、埋葬・供養などを行うとした案を各施設に通知した。検証会議が求めていた検視の申し出はしない。12月5日までに各施設から入所者の自治会との協議結果の報告を受けた上で、最終案をまとめる。案では、標本となった胎児は「各施設で丁重に焼却、埋葬(合祀(ごうし))、供養および慰霊を行う」。時期は今年度中で、遺族の入所者が胎児を引き取った場合は焼却費用などを一定の範囲で各施設が負担。遺骨は、当面各施設の納骨堂に合祀し、各自治会の意向を踏まえ慰霊碑の建設を検討する。
身元が分かっている胎児もいるが、遺族の精神的な負担を配慮し、一律には知らせず、遺族の求めに応じて胎児の存在を確認する期間を焼却前に1カ月程度設ける。
また、「生後、職員らに殺された」との証言などから、検証会議は入所者の意向を踏まえた上で新生児死かどうかを見極める検視(刑事訴訟法)を申し出るべきだと指摘していたが、同省は「警察庁や法務省と協議した結果、事件として立件できる見込みがない」と判断、申し出は行わない。
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〔貼り付けおわり〕
厚生労働省は、この“国家による殺人”を闇から闇へ葬りたいのだろう。しかし、断じてそのような事をさせてはならない。誤った歴史の真実を満天下に明らかにすること。このことこそが、生まれてこれなかった赤ちゃんたちを本当に弔うことになる。赤ちゃんたちを二度殺させてはならない。
上記の動きに反対する署名運動の宛所を今、調べています。わかりましたら、再度掲載します。(↓です。12/26追記)
厚生労働省の動きを阻止するための署名
以下を参照。
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コメント
すしさん
率直なご感想、ありがとうございます。
ひとは、自らに似せて、「神」と「悪魔」を造形したのだと思います。
ひとは、驚嘆すべき善をなすとともに、想像を絶する悪をもなしうる。戦前の厚生省(や、薬禍を繰り返す現在の厚生労働省)の担当役人も、おそらく私たちと大して違わない普通の人間たちだったのです。しかし、他者をモノ扱いすることで、悪魔の所業をなした。
そんな私たち人間でも、できる限り、悪を矯め、善に少しずつ近づくために、その罪を認め、反省し、行いを改める機会があるわけですが、残念ながら現厚生労働省はその再生の機会を、真摯に生かそうとはしませんでした。そういう、戦前から引き続く厚生労働省の体質が、同時に後を絶たない薬害問題を引きおこしています。それはまた、明らかな負の遺産を清算できない、現在の日本社会の脆弱な文明度を現れなのだと思います。
以下は妊娠7ヶ月で強制堕胎された入所者の方の話です。涙なしには読めません。
「 看護師が、「あなたに一目見せたかった。恨まないで欲しい」と言って見せた女の子は、ガーゼで口を押さえられバタバタしていた。子どもと対面させてくれた看護師のことは恨んでいない。恨んでいるのは水も飲ませず侮辱的な言葉を吐いた医師と師長である。飲ませる子どもがいないのに、母乳が出ることも苦しかった。堕胎後も休むことはできず、看護師の手伝いの仕事をしていた。
そんなある日他の入所者に「標本」の存在を知らされ見に行くと、自分の名前の書かれた瓶があり子どもがその中に入れられていた。戦後、20年も経ってからのことである。医局の仕事をすることに耐えられなくなりその後は他の作業に変わった。」
http://shimingakkai.com/taiji-2.html
投稿: renqing | 2008年11月19日 (水) 02時29分
怖いです
何でそんなことをする人がいるんだろう?
投稿: すし | 2008年11月18日 (火) 18時29分