ウィルス virus の面構え(訂正版)
閑話休題
ウィルスに面(つら)があるとしたらどんな顔か? 実はこれが正三角形なのだ。正確に言うと、その表面はすべて正三角形で覆われている。
中学一年生の空間図形のことを覚えている方は、すぐ気づくであろう。そう、すべての面が正三角形である空間図形は、正四面体、正八面体、正二十面体だ**。その中で、最も球状に近いのが、正二十面体である。これが、ウィルスを電子顕微鏡でみた外観。ま、すべてのウイルスがそうであるとはいえないのだが。
ウィルスも遺伝情報を担うのは核酸である。ただし、高等生物とは異なり、DNAとは限らず、RNA遺伝子の場合もある。で、いくらウィルスでも遺伝子をむき出しにして、生きてはいけないので、その外側を殻で覆っている。その材料に、たんぱく質をいくつか使用するのだが、原始的生物なので、 数の限られたたんぱく質しか使えない。その限られたたんぱく質を一定のルールで繰り返して継ぎ合わせていくと、正二十面体になってしまうのですねぇ。
だから、生物のことを考えるときにも、中1の知識が役立つというお話。自然て、不思議。
*参照
ウイルス構造解析の歴史
**明るい時分に、大急ぎで書き込んだら、大間違いがありましたので訂正します。正三角形を面とする 正多面体は3種類あります。お詫びして訂正します。「日記はこれから書かれるところです。」さん、どーもありがとう。m(_ _)m ついでに、中学校で習う正多面体は、5種類ですが、実はこの世に存在する正多面体は9種類あり、また、9種類しかないことが1811年に大数学 者コーシーによって証明されております。ヘンな形ですからご一覧あれ。下記↓。
ついでのついで。正四面体は、メタンの形です。つまり、有機化学の分野の話題です。ウィルスの形を考えるときには、幾何学と有機化学も必要ということでした。参照↓。
Montreal Biosphère
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