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2006年4月 8日 (土)

組織における世界像分業

 標題は、塩沢由典『複雑さの帰結―複雑系経済学試論』NTT出版(1997/06)
「5 組織における世界像分業」より

 著者の意図するところは、認識論(知識理論)として極めて知的刺激に富むものである。その内容については、別途記事を書くことにする。

 ただ、似たようなことを考える人もいるものだ、という少し毛色の変わった面白い例として、下記を挙げておこう。

室内旅行―池澤夏樹の読書日記    池沢夏樹の読書日記
池澤 夏樹
文藝春秋(1998/07)
ISBN: 4163541306

「彼が村について詳細かつ綿密に知っていることの総量は、あらゆる天候に対応できる農作の知識やあらゆる人間関係のトラブルに対処できる世間知の総量は、遠くのことばかり考えているぼんやり者をはるかに上回るかもしれない。旅する者も本を読む者も、結局のところは精神を広げ過ぎて希薄なものにしているのかもしれない。」

 ま、「知識」を巡ってよく考えている思想家などには、他にも F.A.Hayek やら、F.H.Knight のように、「小さな知識」の意味を巡って似たような考察をする人々はいるが、小説家では初めてだったので。

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» 日替わりコラム1回目 [そぞろ日記]
Under the Sunで日替わりコラムの土曜日担当ということになり、今回はお [続きを読む]

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» もちろん、単純系ですとも。 [昨日、今日]
 「ぐぐる」という言葉が一般化しているくらいだから、ネットを使う人は誰だってgoogleを使っているだろう。自分もそれはもちろんで、好きな本だとか作家のキーワードをぶっこむと関連したページが引っかかる。これで「該当するページが見つかりませんでした。」と結果が出る言葉なんかは誰にも需要がねえよ、と錯覚してしまうくらいだ。そんななか、しょっちゅう行き着くサイトがある。それは、  「松岡正剛の... [続きを読む]

受信: 2006年4月23日 (日) 04時19分

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