増税のために露払いをする日銀総裁
さて、日銀は昨年終りあたりから、「景気はよい」を繰り返している。しかし、福井総裁も認めているように、雇用者所得はゆっくり伸びているが、それに比べれば個人消費は伸びていない。いつの場合でも、個人消費という最終ロケット部分が点火されない限り、景気が本格的によくなること(持続的な好況)はありえないはずだ。
雇用者所得が伸びているのに個人消費が伸びない理由は、二つ考えられる。消費者全体の心理がまだ冷え込んでいてシブチンなのか、雇用者間での所得格差が極端に開き、高所得者の所得のみが伸びてしまい、大部分の中・低所得者の所得が伸びていないため、全体としての限界消費性向が下がってしまっているのか、の二つである。おそらく後者だろう。
となれば、景気の本格回復は望み薄である。そのうえ、年内には、ひょっとすると米国+イスラエルによるイラン核施設攻撃もあり得る状況だ。そうなれば、再び、石油危機→原油価格の高騰→大幅な円安→外国人短期資金の海外流出→株価・国債相場の暴落、という最悪のシナリオもありうる。
そういうマイナス要因に眼をつぶり、景気のよさを言い張るには何か邪(よこしま)な魂胆があると考えるべきだ。恐らくは、来年度からの増税路線による財政再建にあわせたキャンペーンの一環だろう。福井総裁は、政府に対し、昨年の村上ファンド・スキャンダルで擁護し助けてもらった借りがある。国外の金融ジャーナリズムでは、辞任必至ないし当然という論調だった。何のかんの弁明しても、売り抜けていたのは事実だからだ。そんな奴に金融の最高責任者を任せられる訳ないじゃない。だから、福井総裁が辞任せずに済んでしまったことに、海外金融メディアは唖然としてしまったはずだ。
そんなスネに傷もつ福井総裁としては、「鶴の恩返し」ならぬ「福井の恩返し」とばかりに、政府にとって都合の良い事、調子のよい事をぬけぬけと言うのは必定なわけだ。おお、なんと「美しい国」JAPAN !
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経済・物価情勢を丹念に点検しながら、金融政策を適切に運営=日銀総裁
1月12日10時47分配信 ロイター
[東京 12日 ロイター] 福井俊彦日銀総裁は12日、支店長会議の冒頭であいさつし「経済・物価情勢を丹念に点検しながら、金融政策を適切に運営することを通じて、物価安定のもとでの持続的成長の実現に引き続き貢献していく」と述べた。
支店長会議でのあいさつは通常、直前に開かれた金融政策決定会合で合意した景気・物価認識をあらためて示すことが多い。今回示した景気・物価の認識も、12月金融経済月報と同様の内容になっている。
福井総裁は、足元の景気について「緩やかに拡大している」と述べた。
世界経済が地域的な拡がりを伴いつつ拡大する中で、輸出は増加を続けている、としたほか、企業収益が高水準を続け、業況感も良好な水準で推移する中、設備投資も引き続き増加していると判断。雇用者所得も「緩やかな増加を続けており、そのもとで個人消費は、やや伸び悩みつつも増加基調にある」と述べた。内外需要の増加が続く中で、生産も増加を続けている、という。
先行きについても「生産・所得・支出の好循環が作用するもとで、息の長い成長が続く可能性が高い」との見通しを示した。
最終更新:1月12日10時47分
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