17世紀科学革命と「紀律化」
ドイツの歴史学において「紀律化」の問題として扱われる過程が、トゥールミンによって別の側面から、十七世紀的合理主義の形成と展開の問題として論ぜられていることは、明らかであろう。トゥールミンは「紀律化」の過程を科学史と連動させ、「紀律化」に伴う「コスモポリス」観の転換を跡づけているのである。
村上淳一『仮想の近代 - 西洋的理性とポストモダン -』東京大学出版会(1992年)、p.152
村上氏も述べるように、このトゥールミンの記述はなかなか示唆的である。ここからいくつかの問題群を呼び出せるのだが、それにはしばらく時間を戴くこととしよう。
〔注〕引用文中、トゥールミンと述べているのは、下記の文献である。
スティーブン・トゥールミン『近代とは何か』法政大学出版局(2001年)
Cosmopolis: The Hidden Agenda of Modernity, 1992
| 固定リンク
「思想史(history of ideas)」カテゴリの記事
- 「資本主義」の歴史的起源/ The Historical Origins of “Capitalism”(2024.11.22)
- 「ナショナリズム」の起源/ The Origin of “Nationalism”(2024.11.21)
- 20世紀におけるドイツ「概念史」とアメリカ「観念史」の思想史的比較 / A historical comparison of the German “Begriffsgeschichte” and American “History of Ideas”of the 20th century(2024.11.19)
- 比較思想からみた「原罪」(peccatum originale/original sin)| Original Sin from the Perspective of Comparative Thought(2024.10.31)
- Michael Oakeshott's Review(1949), O.S.Wauchope, Deviation into Sense, 1948(2024.08.17)
「Toulmin, Stephen」カテゴリの記事
- Two Europe(2022.12.22)
- 塩沢由典『増補 複雑系経済学入門』2020年5月ちくま学芸文庫(3)(2020.06.20)
- 「modernity」の二つの起源(2019.06.02)
- 二つのヨーロッパ(2018.03.31)
- 野家啓一「経験批判論」1998(2013.06.29)
「科学哲学/科学史(philosophy of science)」カテゴリの記事
- 近代工業技術の人類史へのインパクト/Impact of Modern Industrial Technology on Human History(2024.07.26)
- DLT( Distributed Ledger Technology ) and Kegon (華嚴 Huáyán)Thought(2024.07.19)
- Can humans communicate with objects?(2024.05.04)
- 愚かな勉強法と賢い勉強法/ Stupid, or Smart Study Methods(2024.04.22)
- Kimura Bin, "Il sé come confine", 1997(2023.12.31)
「村上淳一(Murakami, Junichi)」カテゴリの記事
- 自由と尊厳を持つのは、よく笑い、よく泣く者のことである(1)/ To have freedom and dignity is to be one who laughs often and cries often (1)(2023.06.05)
- 明治29年のライブニッツ/ Leibniz in Meiji 29 (1896)〔村上俊江氏肖像を追加20231217〕(2023.02.25)
- 荘子、ニーチェ、湯川秀樹/ Zhuangzi, Nietzsche and Yukawa Hideki(2022.08.30)
- Instruction manual for our blog(2021.05.02)
- 弊ブログの取扱説明書/ Instruction manual for our blog(2020.03.10)
コメント