待つ身は辛い(3)
羽入氏の新著、
羽入辰郎『学問とは何か―「マックス・ヴェーバーの犯罪」その後』ミネルヴァ書房(2008年/7月)
を、ようやく書店で立ち読みした(書店さん、ごめんなさい)。
折原氏等への反論、その論証はすっ飛ばし、故沢崎堅造氏に関してのみチェック。いちおう、この早すぎる先学への respect は確認できたので、私としては、ま、OK。
文献学上のやりとりについては、率直に言って、よくわからない。いずれにしても、文献学上の正誤の判定は、その道のプロに任せるしかなかろう。ただし、事の真偽とその軽重は別。 Weber の身内でもなんでもないので、Weber を庇(かば)いたいなどというメンタリティは当方持ち合わせはない。だから、羽入氏の異議申し立てによって、より賢明に Weber の業績がレビューに晒され、使いやすくなることを願うばかりだ。使いようは幾らでもあるだろう、というのが私の立場なのは言うまでもない。
それよりも、故安藤英治氏の大塚久雄批判の研究書出版に強烈な横槍を入れたのが、安藤氏が兄とも師とも慕う丸山真男その人であったことが本書に証言されていた。これは、いささかというか、かなり心外。この件については、羽入氏批判の急先鋒の方々も一切触れていない(口を噤んでいる)ので、ま、事実なんだろう。さもありなん、と思わないでもないが・・、やはり残念。
相互批判だけが学問を発展させる。たとえ、その批判や指摘が当を得たものでなかったとしても、その行為だけで、批判された者や事柄の「正しさ」がより鮮明になるから有意義だ、と述べたのは、J.S.Mill の On Liberty*だった。丸山のやったことは、それを踏みにじるものであり、私にはまったく理解できない。あえていえば、愚劣極まる所業だ。残念、と繰り返しておこう。
* That mankind are not infallible; that their truths, for the most part, are only half - truths ; that unity of opinion, unless resulting from the fullest and freest comparison of opposite opinions, is not desirable, and diversity not an evil, but a good, until mankind are much more capable than at present of recognizing all sides of the truth, are principles applicable to men's modes of action, not less than to their opinions.
John Stuart Mill, ON LIBERTY (1859), CHAPTER III
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コメント
t-maru さん
コメントありがとうございます。
そうですか。
少なくとも、丸山関連の記述は、丸山も含めた故人の名誉に及ぶことなので、関係者による明確な反証が欲しいところです。どこぞから、リーフレト様なものでも出てくれるとよろしいのですが。
投稿: renqing | 2008年9月 3日 (水) 02時11分
羽入氏の書いていることは、ほぼすべての点で再検証要であり、そのまま信用することは止めた方がいいかと思います。
別に「口をつぐんでいる」訳ではありません。
個人的に羽入氏は私の大学の学科の「後輩」なのですが、関係者から色々聞き取り調査した内容は、羽入氏が書いていることとかなり相違があります。
投稿: t-maru | 2008年9月 2日 (火) 22時21分