呪術拒否と無神論/ Rejection of MAGI (magic) and Atheism
江戸人は、ほとんど呪術的な力から解放されていた。就中、徳川政権、藩政権の官僚や、市中の知識人などはそうである。その意味では、近代合理主義者の側面を有すると言ってもよいだろう。これは、渡辺京二氏の近著江戸という幻景などによって生き生きと伝えられている。
ただし、それを無神論といってしまうと、いささかミスリーディングではないかと思う。ここで、Max Weber の議論などを持ち出すと、「またかよ!」という苦言も呈されそうだが、彼の宗教社会学などを参照するならば、禁欲的プロテスタンティズムやイスラムなどのタイプの信仰は、創造神を確信するがゆえに、呪術の類からは解放されている。日本でも浄土真宗系の村などには、呪術的なものが駆逐される傾向があることは、網野善彦の著書日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」 (角川ソフィア文庫)などにも指摘がある。
この辺の消息は、Weber の「中間考察」を読み直した折に理論的に再度議論したい。メモ代わりとして書いた次第。
◆関連、弊ブログ記事
1)徳川期における脱呪術化(Entzauberung = Demagicalization in Tokugawa Japan): 本に溺れたい
2)社会秩序の崩壊と個人の救済 / The Breakdown of the Social Order and the Salvation of the Individual: 本に溺れたい
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