バルサのコア・コンピタンスは、ペップである
2011-05-28のCL決勝は、前半40分間の接戦が、後半も継続すると思われたが、トータルするとバルサの圧勝となってしまった。
世上、メンバーの能力、特にメッシ、シャビ、イニエスタなどが持ち上げられる。しかし、直近3回のCL決勝の先発メンバーを見て頂きたい(下記①②③)。この3人に関しては、①、②において変わらず先発に名を連ねている。しかし、その強さは今回のチームのほうが圧倒的だ。プレミアであれほど安定して相手を凌駕していたマンUが無力に見えてしまうのだから。
①Barcelona_vs_Man_Utd_2011-05-28
②Barcelona_vs_Man_Utd_2009-05-27
ではこの強さは何に起因するのか。それを考える手がかりは、前々回、バルサがCLファイナルに進出し優勝したときの先発メンバー(③)と比べてみると見えてくる。
③Barcelona_vs_Arsenal_2006-05-17
②、③ともに、先発に名を連ねているのは、バルデスとプジョルのみ。あとはガラガラポンという感じで、メンバーが入れ替わっている。
つまり、時系列で追うと、③→②へは、ペップの監督就任一年目として、チームの外科的大手術を執行したといえる。②→①は、バルサの理念と理想をさらに求めた結果だと考えてよいだろう。
ポイントは、「バルサの哲学」の理解だ。そこを共有できない者は、アンリだろうが、イブラだろうが、「使わない」。そうして、アンリをペドロに、イブラをビジャに、エトーをメッシに置きかえてしまった。
こうして、ペップ・バルサのポゼッション・フットボールは、ブスケッツを逆三角形の底としたトライアングル(+ダニウ・アウベス)によって、相手 ボールになった途端襲い掛かり、すぐさまボールを奪取することに始まり、バルサ相手に自陣深く守備を固める敵の守備網を、縦のショートパスを多用しなが ら、おびき出し間延びさせ、出来たスペースにすぐさま侵入し、そこにラストパスを送る。したがって、ゴール前にクロスをあげる、などというシーンはほとんど無い。
このブログでも繰り返し指摘してきたことだが、このバルサの強さは、今のベストメンバーのベストパフォーマンスの強さである。だから、特にシャビという、バルサ・ネットワークの結節点を失うと、途端に血行障害が発生する。ペップが「バルサでの私のサイクルは終わりに近づきつつある」というのも、このメンバーでいつまでも戦える保証がないからだろう。
それでは、今のバルサと互角に戦う術はないのか? そうでもないような気がするが、それについては稿を改めることとする。
※上記、フォーメーション図は、すべて、wikipedia(English)より、拝借いたしました。wikipediaさん(の作成された方)、ありがとうございます。m(_ _)m
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コメント
fearon さん、どうも。
>このフォーメーションは何のソフトでおつくりに?
いや、借用です。そういえば、無断引用で、著作権違反でした。ご指摘ありがとうございます。
上記、3つとも、Wikipedia(Einglish)からお借りしたものです。
>中盤の守備をどうするかなんですよねー。
ご指摘の面子で、ガツガツ行って、
>ロッペン、ドロクバでカウンター
っていう、感じですかね。どんなにバルサのボール支配率が高くても、65%ぐらいだから、残りの35%のときに、光速カウンターをしかける、っていうのは、あり、だと私も思います。とにかくバルサのフォア・チェックも厳しいので。このゲーム前半での、ルーニーのゴールがありうべき、展開でしょう。
投稿: renqing | 2011年6月 1日 (水) 11時55分
中盤の守備をどうするかなんですよねー。
セードルフ、ガットゥーゾ、ランパード、マケレレw
ロッペン、ドロクバでカウンター。
このフォーメーションは何のソフトでおつくりに?
投稿: fearon | 2011年6月 1日 (水) 11時09分