RVP以後の香川の現実
ファギーの今シーズン当初の構想は、まず得点力とセンターラインの強化だった。その解答が、ルーニーをNo.9(CF)にポジションを上げその得点力を生かし、ルーニーの背後で中盤を制御しつつ得点力もあるテクニカルなMFを配置することだった。
獲得のためのコストや成長可能性、チームへのフィットネスの速度、いろいろな観点から、香川に白羽の矢がたち、ファギー自ら2時間を長広舌で香川を口説き落とし約20億円で獲得した。
ところがファギーも驚いていたように、なんと昨シーズンのプレミア得点王が懐に転がり込んできた。これならわざわざ万能アタッカーのルーニーをNo.9に上げずにNo.10のまま、No.9にRVPを入れればよいことになっちゃった。つまり、香川はNo.10として余ってしまった訳だ。香川にとっては登った梯子をはずされたことに近いが、Man
Utdとしては誠に都合の良い状況。香川の現実は、No.10としてルーニーの控えということになる。
香川の選択肢は3つある。1)ベンチを暖めつつ、ルーニーと真っ向勝負でNo.10を奪い取るか(それは同時にルーニーを一列前の1トップか、RVPとの2トップの位置に置かせ、結果的にウェルベックをウィングに追いやることを意味する)、2)別のポジション(例えば左右のサイドのMFとか)で機能することを証明して定位置を確保しRVPやルー
ニーが怪我等で長期離脱したときにNo.10を担うか、3)No.10のポジションを求めて他のクラブへ移籍するか。以上3つだ。どれが本当に香川、およ
び日本代表に適切なのかわからない。
賢く努力家の香川のことだから、結果として自分で道を切り開くことを願うけど、望むらくは、ダイヤモンド型
より、CMFクレヴァリー→香川・ルーニー・RVP3名の流動的にトライアングル、のほうが共存できて機能するような気がする。現状のサイドアタック一辺倒のままではヨーロッパのカップ戦では昨シーズンの二の舞の懸念あり。
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コメント
>そのグアルディオラがマンUの監督候補にあがっていますねー。
ファギーの後を継げる能力と実績を持つ比較的若手の監督って、フットボールの世界に何人もいないでしょう。ペップは間違いなくその1人だろうと思います。
>ファギーの狙い通り!??
かどうかはまだ不明ですが、ペップがNYで次への英気を養っている、というのは意味深なところかと思います。ペップは現役選手時代、バルサの後、セリエA、カタール、メキシコでプレーしましたが、イングランドでは経験がありません(当時から幾度かファギーに誘われていたようですが)。したがって、英語は堪能と言えない。ペップにプレミアリーグでの監督業に意欲があるなら、英語を操れないと難しいのは事実。その意味では、喧騒を離れ、じっくり英語力と新チーム構想を練るにはNYというポジションはなかなか効果的な布石です。またペップは歴代最高のmidfielder としてManUtdのポール・スコールズを挙げていて、一度同じチームでやりたかった、と公言していることも気になるところです。
>彼が本当にきたら、本格的に香川中心としたサッカーをする
それはちと言いすぎかな。midfieldを主戦場とするモダンなフットボールにすることは間違いないでしょうし、ファギーがペップを後継者として指名するなら、それを含んでのことだと予想できます。
恐らく、ペップ・ManUtdとなるなら、中心となるのは、若くテクニックも戦術理解力もあるルーニー、クレヴァリー、香川になるとは思います。あともう1人、スペインから若いMFを連れてきそうな気がします。バルサのカンテラか、元バルサ・カンテラ出身で、リーガの中規模クラスのクラブで活躍していて移籍金がまだ高騰していない若手ですね。ペップ哲学を体現できるプレーヤーです。
でもとにかくペップがManUtdに来るなら、元々バルサでプレーするのが夢だと発言していた香川は、ManUtdに在籍しままでバルサに移籍したのと同じ効果を得られる可能性があります。ま、面白すぎますが。
投稿: renqing | 2013年1月 2日 (水) 02時39分
そのグアルディオラがマンUの監督候補にあがっていますねー。
シティと取り合い。
彼が本当にきたら、本格的に香川中心としたサッカーをするんでしょう。
ファギーの狙い通り!??
投稿: fearon | 2013年1月 2日 (水) 00時42分
う~ん、そうも言えますけど、バルサ=スペイン型の21th modern football は、midfieldが主戦場でそこをポゼッションで制圧して、相手の攻撃機会を根絶やしにし相手プレーヤーを相手のファイナルサードに閉じ込めて、その篭城戦をスペースメイキングとショートパスの打ち抜く、というものです。したがって、みすみすmidfieldをバルサ=スペイン型チームに七割も握られては勝負になりません。まずはmidfield制圧戦を五分に戻したいんでしょうね。ただ観察していると、ファギーにはチームビルディング(いわばロジスティック)という大戦略はあるみたいですが、具体的にそのハートランドをどう制圧するのかというdetailの戦術がなさそうです。そういうのは能力の高い個々のプレーヤーまかせみたい。こうなるとしばらくはオフェンスは迷走を続けそうですね。ManUtdという巨大タンカーの方向転換は、ペップにきてもらうしかないような気がします。
投稿: renqing | 2012年12月31日 (月) 18時32分
>>現状のサイドアタック一辺倒のままではヨーロッパのカップ戦では昨シーズンの二の舞の懸念あり。
ですね。バルサにCLファイナルでボコボコにされて、
ファギーは、
ドルトムントのようなショートパスサッカーをしたいんでしょうね。
投稿: fearon | 2012年12月31日 (月) 15時29分