« ポアンカレ『科学と仮説』岩波文庫(1985年) Jules-Henri Poincaré, La Science et l’hypothèse(1902) | トップページ | 身分と労働 Status and Labor »

2013年5月19日 (日)

未踏の江戸時代(2)

 前回、未踏の江戸時代 でご紹介しました、中野三敏氏の「和本リテラシー」関連の、日本記者クラブでの講演(100分)が Youtube ありました。

 だいたい同工異曲ですが、よりわかりやすくなっていますし、興味深いエピソードもありますので、こちらのほうがお薦めかと思い投稿します。

中野三敏・九州大学名誉教授 2012.8.20 - YouTube


■あるエピソード

 樋口一葉日記 影印版 (2冊)翻刻、岩波書店刊(2002)、493頁(63000円!)。

 この一葉のプライベートな日記は、草書体漢字、変体がな、句読点なし、濁点なしという、江戸フォーマットで書かれています。これの翻刻(現代読みをつけ、活字に起こす)作業をされたのは鈴木淳氏ですが、鈴木氏は東京・立川にある国文学資料研究館に属する近世文学研究者です。変ですよね。本来なら、当然、一葉研究者が担当するはずです。

 ですから、岩波書店も最初、現代の一葉研究者に翻刻作業を呼びかけたのですが、誰も手を上げなかった。つまり、プロフェッショナルな樋口一葉研究者の中に、自信を持って江戸フォーマットを読める人物がいない、という惨状だったという訳です。

 この講演も必聴です。

|

« ポアンカレ『科学と仮説』岩波文庫(1985年) Jules-Henri Poincaré, La Science et l’hypothèse(1902) | トップページ | 身分と労働 Status and Labor »

Tokugawa Japan (徳川史)」カテゴリの記事

中野三敏(Nakano, Mitsutoshi)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 未踏の江戸時代(2):

« ポアンカレ『科学と仮説』岩波文庫(1985年) Jules-Henri Poincaré, La Science et l’hypothèse(1902) | トップページ | 身分と労働 Status and Labor »