未踏の江戸時代(2)
前回、未踏の江戸時代 でご紹介しました、中野三敏氏の「和本リテラシー」関連の、日本記者クラブでの講演(100分)が Youtube ありました。
だいたい同工異曲ですが、よりわかりやすくなっていますし、興味深いエピソードもありますので、こちらのほうがお薦めかと思い投稿します。
中野三敏・九州大学名誉教授 2012.8.20 - YouTube
■あるエピソード
樋口一葉日記 影印版 (2冊)翻刻、岩波書店刊(2002)、493頁(63000円!)。
この一葉のプライベートな日記は、草書体漢字、変体がな、句読点なし、濁点なしという、江戸フォーマットで書かれています。これの翻刻(現代読みをつけ、活字に起こす)作業をされたのは鈴木淳氏ですが、鈴木氏は東京・立川にある国文学資料研究館に属する近世文学研究者です。変ですよね。本来なら、当然、一葉研究者が担当するはずです。
ですから、岩波書店も最初、現代の一葉研究者に翻刻作業を呼びかけたのですが、誰も手を上げなかった。つまり、プロフェッショナルな樋口一葉研究者の中に、自信を持って江戸フォーマットを読める人物がいない、という惨状だったという訳です。
この講演も必聴です。
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