借りた本はサッサと読んで貸主に返しなさい(by 本居宣長)
宣長の、本を借りたら読んで早く返しなさい、のエピソードは下記にあります。
本居宣長『玉勝間』玉賀都万 一の巻(日本思想大系〈40〉本居宣長 (1978年)、pp..20-1)
一四 また
めづらしき書をえたらむには、・・・、すべて人の書をかりたらむには、すみやかに見て、かへすべきわざなるを、久しくどゞめおくは、心なし、さるは書のみにもあらず、人にかりたる物は、何も何も同じことなるうちに、いかなればにか、書はことに、用なくなりてのちも、なほざりにうちすておきて、久しくかへさぬ 人の、よに多き物ぞかし、
そして、この後が、実にいいです。
一五 また
人にかりたる本に、すでによみたるさかひに、をりめつくるは、いと心なきしわざなり、本にをりめをつけたるは、なおるよきものぞかし、
ここらへんは、書痴 bookjunkie としては、宣長に深く頷かざるを得ません(心ならずも…)。またさきほどの、早く返せ云々は、当時、書籍は現在の価値で言うと1万円から数万円の相対価値でしたから、無理からぬ点はあります。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 金木犀と総選挙/ fragrant olive and the general election(2024.10.21)
- 「沈黙」と「待つ」ことの機会費用/ Opportunity cost of "silence" and "waiting"(2024.08.12)
- 有田焼のマグカップ/ Arita porcelain mug(2024.04.25)
- 父と子 father and son (若干、追記)(2024.03.10)
- 虹 rainbow(2024.03.09)
「本居宣長(Motoori, Norinaga)」カテゴリの記事
- ”White imperialism" and epistēmē or Foucault ‘abused boys in Tunisia’ (2)(2021.04.18)
- ”White imperialism" and epistēmē or Foucault ‘abused boys in Tunisia’ (1)(2021.04.13)
- 「白い帝国主義」と epistēmē(2021.04.13)
- 「悪」の存在確率/probability of evil(2020.05.04)
- 江戸人の「本居信仰」(1)(2019.05.26)
「読書論 (reading)」カテゴリの記事
- Rose petals in the canyon(2023.10.25)
- 峡谷に薔薇の花弁を(2023.10.25)
- ミメーシスとしての読書 (Reading as mīmēsis [ μίμησις ])(2019.06.01)
- 内田樹「言葉の生成について」2016年12月(2) (2019.06.13)
- 借りた本はサッサと読んで貸主に返しなさい(by 本居宣長)(2018.03.09)
コメント