二つのヨーロッパ
このところ、関東の太平洋側は好天に恵まれ、実に気持ちの良い日が続いています。本当に、日本列島の春先の太平洋側の気候は素晴らしい。
◆気候と心/身体
天気は心と身体のバイオリズムに直接、影響します。それからすれば、カルヴィニズム(Calvinism)のような殺風景な信仰が、一年の三分の二が曇りがちのどんよりした気候の、アルプス以北の人々に受け入れられたのは、無理もないと思います。 映画「バベットの晩餐会」(1987)の、冷え冷えとしたユトランドの寒村の描写を見ると、少しだけ実感できます。
◆欧州の超大国フランス
フランスは、伝統的に、欧州最大の人口、面積を有する超大国でした。と言うことは、歴代のフランス王家による併呑(軍事的、政略的)を繰り返しきた、民族的、言語的、文化的複合国家ということを意味します。それと関連しますが、欧州では仏、西だけが、地中海と大西洋、両方に面しています。
◆モザイク国家フランス
こういう、北西ヨーロッパと南ヨーロッパの対照的な地勢、民勢を同時に持つ、一種、モザイク的、複雑な国家がフランスです。フランスが近代、絶えず革命/反革命の大波で、右へ左へと揺さぶられしまうのも当然と言う気がします。そして、ローマ帝国の遺産を、カトリック国制として継受し、北西ヨーロッパに引き渡したのも中継地フランク王国です。
◆フランスの階層構造とヨーロッパの南北問題
フランス上層部(あるいは、「財産と教養ある人々」)による、中下位層に対して一般的にある蔑視は、北西欧人による南欧人(イタリア人、イベリア人)への侮蔑「怠け者」と同じ構造ですね。それはまた、ゲーテのイタリア紀行にみられるように北西欧人の、南欧への憧れ、羨望、嫉妬の、逆転し捩じれた心性の一つの表現なのでしょう。
◆西欧16世紀の可能性
現代西欧にもし救いの道があるとしたら、16世紀のモンテーニュ(Montaigne 1533-92)やセルバンテス(Cervantes 1547-1616)的な道を再び歩き直すことなのだろうと思います。
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