幕末維新テロリズムの祖型としての徂徠学(1)/ Ogyu Sorai as the prototype of the Meiji Restoration terrorism
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19世紀半ば、日本列島では、テロ、政治的暗殺が吹き荒れました。「暗殺の中から生まれた明治政府」(1)とはけだし名言です。
(1)『東アジアの弾圧・抑圧を考える ―19世紀から現代まで 日本・中国・台湾』春風社2019年12月、p.13「序」(岩下哲典氏筆)
また、同書所収、関良基「江戸末期の暗殺と明治の弾圧の言説分析ー「国体」「売国」「国賊」「大逆」」pp.129-164は、類編がない重要な論考です。是非ご参照ください。
徂徠学は国学と水戸学(後期)に決定的な影響を与えています。そして、国学と水戸学は、一貫して、尊王攘夷運動、幕末維新テロリズム、「御一新」、明治憲法体制と、敗戦を迎えるまで、大日本帝国を支える信条的根拠でした。従いまして、標題のような結論に達せざるを得ない訳です。
この件に関しては、既に半世紀前に重要な論文が二人の論者から出されています。
1)尾藤正英「国家主義の祖型としての徂徠」1974年
中央公論社刊、尾藤正英編『日本の名著 16 荻生徂徠』所収「解説」
講談社学術文庫、尾藤正英抄訳『荻生徂徠「政談」』2013年、所収
2)橋本文三「水戸学の源流と成立」1974年
中央公論社刊、橋本文三編『日本の名著 29 藤田東湖』所収「解説」
筑摩書房刊『橋川文三著作集〈10〉黄禍物語・水戸学の源流と成立・著作目録』2001年、所収
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コメント
>関さん
>
> 丸山眞男批判の記事、今後とも期待させていただきます。
> 重要な文献の紹介ありがとうございました。尾藤正英氏の徂徠論など私は未読でした。今後とも勉強させていただきます。
関さんの「史料を読む」重厚なreferenceには端倪すべからざるものがあります。非常に勉強になります。こちらこそ、ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。
投稿: renqing | 2020年10月 6日 (火) 08時29分
丸山眞男批判の記事、今後とも期待させていただきます。
重要な文献の紹介ありがとうございました。尾藤正英氏の徂徠論など私は未読でした。今後とも勉強させていただきます。
投稿: 関 | 2020年10月 5日 (月) 00時16分