金木犀(キンモクセイ)/Osmanthus fragrans var. aurantiacus
毎年、この季節になりますと、駅まで歩く途中で、むっとするぐらいの濃い甘い香りに包まれる時があります。金木犀(キンモクセイ)です。丈夫な庭木らしく、生垣などによく使われるのだそうです。
学名、Osmanthus fragrans var. aurantiacus は小難しいラテン語 Latin です。
Osm-anthus 匂いの - 花
fragrans 香る
var. 変種
aurantiacus 橙黄色
という意味だそうです。
この樹木、日本では雄株しか存在せず、有性生殖ができません。したがって、「接ぎ木」ということになります。解説類では、原産地中国からは、雄株しかこなかった、とか、日本で育てると雌株は雄株に性転換するとか、もっともらしいことをかいてありますが、どうも両者とも都市伝説レベルの俗論らしいです。謎解きは、この問題に関する優れた案内である、下記の論文をPDFでDLしてお読みください。意外にもあまりよくわかっていません。
宮内泰之「恵泉 樹の文化史(12):キンモクセイ」恵泉女学園大学園芸文化研究所報告:園芸文化
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