混沌の海を渡る/ Crossing the Sea of Chaos
未知の対象は、「混沌の海」あるいはその「向こう岸」です。そこを何とか渡海したい。しかし何処に対岸があるのか、向こう岸があるかさえ、不明です。そこで、可能な範囲で小さな島を作ります。つまりどんなに些細な事でも、わかること、分かったこと、分かりそうなことを言語化します。
当面、その小さな拠点を作ることに熱中します。そうしているうちに、島と島の位置関係、例えば、並列か直列か、或いはそれらの階層構造、繋がり方の近接性あるいは遠隔性、包含か共有か、動的な継起性、色彩のスペクトラム、が少しづつ見えてきます。その見えてきた関係性が、小島どうしをつなぐ「橋」です。
その小島群、それらをつなぐ幾つもの橋、段々見えてきた島嶼の俯瞰、それこそが「混沌の海」あるいは「向こう岸」そのものと言えます。その時には、すでに未知の対象がほぼ既知化したと言えるでしょう。
残った作業は、その立体的、あるいは動的な像(vision)をどうやって、言語記述の線型性(linearity)に落とし込むか、です。この話題はまた別途論じる※1ことにします。
※1参照 脳内の像の言葉を通じた次元低下とその復元 Reducing dimension of the image in the brain by words and its restoring: 本に溺れたい
※本記事のアイデアは、混沌に目鼻をつける/ Appearance of chaos: 本に溺れたい、および下記の書から拝借しました。
とりあえずわかる部分をパズルのようにつなぎ合わせて、そこを理解の小島にして、橋をかけていくようなかたちで、理解の道をどんどんつないでいく。すると、ふと視界が開ける瞬間がある。
齋藤孝『雑菌主義宣言!』2009年文藝春秋社、p.73
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