ロシア人における20世紀とはなにか?/ What is the 20th century for Russians?
亀山郁夫(Kameyama Ikuo, ロシア文学者)はこう言います。「20世紀のロシアという地域に幸せな時代はほとんどなかったように思います。(It seems to me that there were few happy times in the 20th century in the region of Russia.)」註1
独ソ戦(1941-45年、「大祖国戦争」Velikaya otechestvennaya voina Sovetskogo Soyuza)だけで、戦死者約1360万人、民間人を含めて約2000万人、全人口の10分の1以上の犠牲を出し,富の1/3が灰燼(かいじん)に帰しました。その前に、ロシア革命の動乱があり、それに対する西欧諸国の干渉戦争、その後にスターリン時代の恐怖政治、あるいは《収容所列島》と、ロシア人にとり20世紀は災厄とともに回顧されざるを得ないものです。亀山郁夫ならずとも、ふと漏れ出てしまう評言でしょう。
こういった20世紀のロシア現代史が、現代ロシア人の対外認識をどう形成してきたのか、を丁寧に解説した、とても優れた調査報道が動画(約40分間)でありました。下記です。必見であると思います。
「ロシアの論理」で読み解くウクライナ危機【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】(2022年2月9日) - YouTube
註1 ドストエフスキーは「奴隷の自由」を語った 亀山郁夫さんが探る光:朝日新聞デジタル 2022年1月18日 8時30分
註2 近代日本によるロシア革命への干渉戦争である、シベリア出兵については、与謝野晶子の見事な政治評論があります。下記参照。
与謝野晶子「何故の出兵か」(1918年): 本に溺れたい
註3 イザイア・バーリン(Izaiah Berlin)が生きていて、この21世紀の「ウクライナ危機」を目の当りにしたら、どう発言したでしょうか。苦渋の表情を浮かべるような気がします。
註4 こういう見方もある、と言う点で下記参照。
田中宇の国際ニュース解説「優勢になるロシア」2022年3月16日
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