大人の鑑賞に耐えるアニメ(1)
1)今敏監督作品、二つ
「東京ゴッドファーザーズ」 2003年劇場公開。92分。Netflix。
キャラクターは、昨今のアニメ風ではなく、もう少しリアルなデザインです。
声優に、江守徹(ギン)が参加しています。声による演技はさすが舞台俳優。
筋の展開の小気味よさ、逆転/どんでん返しが仕込まれていて楽しめました。
「パプリカ」
2006年劇場公開。90分。原作は筒井康隆『パプリカ』1993年。Netflix。
dアニメストアによるあらすじ
「精神医療研究所が開発した、他人の夢を共有できる画期的テクノロジー"DCミニ"が盗まれた。それを機に研究員たちは次々に奇怪な夢を見るようになり、精神を冒されていく。謎の解明に挑む美人セラピスト千葉敦子は、極秘のセラピーを行うため、性格も容姿もまったく別人の"夢探偵パプリカ"に姿を変え、クライアントの夢の中へと入り込む。しかし、狂ったイメージに汚染された夢の中では、おぞましい罠がパプリカを待ち受けていた…。」
Paprika - The girl in Byakkoya by Susumu Hirasawa - YouTube
【平沢進】パレード(歌詞付き)~映画「パプリカ」~ - YouTube
ストーリーは原作に忠実というわけでもないようですが、血沸き肉躍る展開になっていますので、十分に物語の世界を堪能できますし、他人(ひと)の夢の中に侵入する様を、アニメというプロトコルで十二分に表現していて楽しめます。クリストファー・ノーラン監督「インセプション」2010年にも影響を与えているもしれません。この作品にも、声優として江守徹が(今度は敵役)で出演しています。
以上、今敏監督作品は二つともdアニメストアで私は見ました。Netflixでも新作ラインナップにありましたので、今季から動画配信OKになった、ということなのだと思われます。
2)「波よ聞いてくれ」
2020年テレビ放映。全12話。原作:沙村広明『波よ聞いてくれ』(講談社「アフタヌーン」連載)。監督:南川達馬、シリーズ構成:米村正二。Netflix
dアニメストアによるあらすじ
「「いやあ~~~~ッ、25過ぎてから男と別れるってキツいですね!」札幌在住、スープカレー屋で働く鼓田ミナレは、酒場で知り合った地元FM局のディレクター・麻藤兼嗣に失恋トークを炸裂させていた。翌日、いつものように仕事をしていると、店内でかけていたラジオから元カレを罵倒するミナレの声が……!麻藤はミナレの愚痴を密録し、生放送で流していたのだ。激昂してラジオ局へ乗り込むミナレ。しかし、麻藤は悪びれもせずに告げる。「お姐さん、止めるからにはアンタが間を持たせるんだぜ?」ミナレは全力の弁解トークをアドリブで披露する羽目に。この放送は反響を呼び、やがて麻藤からラジオパーソナリティにスカウトされる。「お前、冠番組を持ってみる気ないか?」タイトルは『波よ聞いてくれ』。北海道の深夜3時半、そしてミナレは覚醒するッ!」
TVアニメ『波よ聞いてくれ』第1弾PV - YouTube
遥海 -『Pride』 MUSIC VIDEO - YouTube
地方ラジオ局の素人パーソナリティの成長物語、ということになります。そこが、現在の日本アニメの定番、「~高校」を舞台にした、なんでもかでも「~高校生」ものと最も違う部分だと思います。キャラクターもyoutubeをみて頂ければ一目瞭然ですが、いわゆる「アニメ的」なデザインとはテイストが異なり、ヒロインを含め全員成人です。ヒロイン鼓田ミナレのマシンガントークと彼女を取り巻くカレー屋「ボイジャー」従業員のボケに対するミナレの強烈なツッコミ。この言葉のキャッチボールの平穏な「日常」が心地よい珍しいアニメといえると思います。
最後に、エンディングテーマの「Pride」(唄:遥海)の伸びのある素晴らしい声とそれをよく生かした楽曲も素晴らしいと加えておきます。
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