心は必ず事に触れて来たる/ The mind is always in motion, inspired by things
人のこころ(心)は、もの/ことのもたらす触発への応答としてそのたびに現前する。こころとは、みなも(水面)に投ぜられた石によって生起し、時とともに消失する波紋である、と言えるかもしれない。
徒然草(1317年?~1331年?)第百五十七段 筆をとれば物書かれ
筆をとれば物書かれ、楽器をとれば音(ね)をたてんと思ふ。盃(さかづき)をとれば酒を思ひ、賽(さい)をとれば攤(だ)打たん事を思ふ。心は必ず事に触れて来たる。かりにも不善の戯れをなすべからず。
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