弊ブログ主のインタビュー記事、第2弾(2023年2月)
弊ブログ主(renqingこと、上田悟司)のインタビュー記事が、前回 同様、『風餐UNPLUGGED』11号、に掲載されました。雑誌目次は本記事後半に掲載しました。 もしご関心をお持ちいただけるようなら、下記、編集部(連絡先メール・アドレス)までお問い合わせください。
問い合わせ先
:風餐編集部(府川さん) logos380@qd5.so-net.ne.jp
※今回の弊インタビューのテーマは、複雑系経済学、です。
追記しますと、本誌中の、「OIL, WATER and ROCK Dominic Berry」は、西欧人による関曠野評(英文)としては世界初(?)のものではないかと思います。ご関心を頂ければ幸甚。
※正誤表(2023/02/14)頁はすべて本誌。
p.45 〔誤〕塩沢由典プロフィール「中央大学商学部教授。現在に至る。」
〔正〕塩沢由典プロフィール「中央大学商学部教授。2015年同退職。現在に至る。」
p.47 〔誤〕上田「この理論は塩沢さん、谷口和久、盛岡真史の三人が」
〔正〕上田「この理論は塩沢さん、谷口和久、森岡真史の三人が」
※塩沢由典氏のHP上(短信・雑感欄)で、お褒めの言葉を頂戴しました。ご参照頂ければ幸甚。
塩沢由典公式ホームぺージ(新しいPortal: 2021年11月から)
私のインタビュー記事の内容は、SMT理論(塩沢由典、森岡真史、谷口和久)の一般向けの紹介記事です。
SMT理論は、専門誌(英文/日文)では既に取り上げられていますが、一般誌で取り上げられたのは、この『UNPLUGGED』11号が世界初(!)であると思います。これは、ある意味で記念すべき事柄です。なぜなら、SMT理論は、「極めて多数の経済エージェントによる多段階の分権的意思決定によって作動している近代産業社会が、日常的、マクロ的になぜ大きな経済破綻なく作動/循環し続けているのか」、つまり、Adam Smith's "invisible hand"の機序を、成功裡に記述し得た初めての理論だからです。これは、Smith はもちろん、General Equilibrium Theory の競争解の存在証明(1954,Arrow/Debreu) においてさえもなし得なかった偉業なのですから。欧米産の近代学術の基礎理論を刷新したという意味で、近代日本のアカデミズム史上、空前絶後、と言っても過言ではありません。
※SMT理論の概要は下記記事も参照。
Microfoundations of Evolutionary Economics (Evolutionary Economics and Social Complexity Science, 15), 2019/7/10, Springer :本に溺れたい
この理論書に関しては、近時、下記の書籍にも、以下のような記述があり、国際的評価が確実に浸透してきた、と思われます。
Peter Earl, Principles of Behavioral Economics: Bringing Together Old, New and Evolutionary Approaches, Cambridge University Press, 2022
Readers who are interested in more formal approaches are strongly encouraged to consult the work of Shiozawa et al. (2019), which complements at many points the perspective offered in this book. (p.3)
https://www.cambridge.org/core/books/principles-of-behavioral-economics/DEED67BC101CBDC4105A90481A5A83D5#
風餐UNPLUGGED 11号 2023年2月15日発行
目次
カルメンの薔薇 2 金城真喜子
詩人 井川博年に聞く 井川博年◉府川雅明・三宅政吉
霊会通信 真下茂俊
Carpet Bombing Sean Anderson
今なぜ複雑系経済学なのか 上田悟司◉府川雅明 pp.30-50
The 特別支援学級の世界 ハビイ氏橋
日本を知るためのドイツ入門 Sebastian Tours◉府川雅明
OIL, WATER and ROCK Dominic Berry ←関曠野の議論へのコメント
ミノタウロスの全身骨格化石図 田上高広
脱亜入亜ー中国編「大観園」探訪 林 日出民
イタリアの真実 Fabiana Torre◉府川雅明
イヴァ―ン・アフメーチェフ詩鈔 岡田和也
風餐バックナンバー
後記
※前回、のインタビュー関連の弊記事は下記です。
弊ブログ主のインタビュー記事: 本に溺れたい(2020年7月)
※今回の弊インタビュー記事に関連する、弊ブログカテゴリーは下記です。
Shiozawa Yoshinori(塩沢由典): 本に溺れたい
複雑系(complex system): 本に溺れたい
進化論(evolutionary system): 本に溺れたい
社会科学方法論(methodology of social science): 本に溺れたい
科学哲学/科学史(philosophy of science): 本に溺れたい
資本主義(capitalism): 本に溺れたい
知識理論(knowledge theory): 本に溺れたい
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