« 河津桜 | トップページ | 父と子 father and son (若干、追記) »

2024年3月 9日 (土)

虹 rainbow

過日、珍しいことに虹を見ました。東京郊外の駅前広場から、雨が上がったかなと、どんよりした薄暗い空に顔をあげるとなんと虹の橋脚?部分が見えました。 Kimg0526
あわてて撮ったので、あまり良い出来ではありませんがご容赦。

古代中国では、巨大な蛇に見なされました。従って、その漢字も、虫偏となるわけです。平凡社世界大百科事典「虹」/吉田敦彦を覗いてみます。

虹を巨大な蛇とみなす観念も,古代中国など多くの地域に見られる。オーストラリアのアボリジニーのあいだでは,〈虹蛇〉は一般に世界を創造した最高神で,男女両性を具有し,水と豊穣をつかさどり,呪医たちに能力を授けると信じられている。アフリカ西海岸のヨルバ族の信仰では,虹は地下に住む大蛇で,空に現れるのは水を飲むためとされている。西アフリカのエウェ語を話す人びとのあいだでは,虹は海中に住む大蛇で,尾を下にして海面に立ち,空の水を飲むと信じられている。南アメリカの原住民の多くに共通して見いだされる神話によれば,虹はもとは小さな水蛇だったが,1人の少女に捕らえられ飼われているうちに,たちまち巨大に成長し,世界中を人間をのみながらまわった。しまいに鳥たちが協力してこの怪物を殺し,その血にめいめいが羽を浸したので,そのときから鳥たちは,さまざまな色彩の美しい羽毛によって種類が区別されるようになった。

上記中の、両性具有と似ているのが、虹と性転換です。

古代中国では,虹は不吉な現象で,決して指さしてはならぬとされていたが,北アメリカでも,ダコタ族やホピ族などのあいだで,虹を指さすことはタブーとされている。ヨーロッパには,虹の下を通り抜けると男が女に女が男に変わるという言い伝えが広く見いだされる。ルーマニアの民間信仰によれば,虹の両端は常に川面に接している。その端のところに四つばいではっていき,そこの水を飲めばだれでも性が変わるという。ヨーロッパにはまた,虹の端が地面に接する所には,黄金の詰まった壺など宝物が見いだされるという言い伝えも広く流布している。虹の端に宝があるという信仰は,マレー半島などにも見いだされ,セマン族は,虹の端の触れた場所を不吉とみなしている。

東アジア、東南アジアでは、水神は蛇(あるいは龍)とされることが多いので、雨上がりに不思議な七色の橋がでてくれば、龍を連想するのも納得できそうです。

|

« 河津桜 | トップページ | 父と子 father and son (若干、追記) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

中国」カテゴリの記事

文化史 (cultural history)」カテゴリの記事

古代」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 河津桜 | トップページ | 父と子 father and son (若干、追記) »