ドアを閉じる学問とドアを開く学問/ The study of closing doors and the study of opening doors
「学問の世界では、問題を解決してみせるよりも遥かに重要なのは、新たな問題を見つけてくることで、我々の埋め込まれている世界をより大きく広げて行くことなのです。要するに、その問題を解決してドアを閉じてしまう業績よりも、新しい世界を提示してドアを開ける業績の方が桁違いに讃えられるのです。」
上記の素晴らしい言葉は、
(11) 素数の何が解明されたら世の中は大きく変わりますか? - Quora
という記事中の、
Petrosky Tomio 氏(物理学者)の返信の結びの言葉です。久しぶりにグッと心にきました。
ある共同体における、身分間の垂直的流動性の高まりという歴史的偶然が、人類史における modernity を切り開いた、という議論は、中華王朝における、「唐宋変革」期の meritocracy 問題、日本中世の「応仁の乱」を契機とする、「下剋上」の出現など、中国国制史の特異性、徳川日本の国制史上の「初期近代」性の問題、などにも広がり得る、まさに「ドアを開ける」ものだと思います。それだけに、既存の学問の枠組みを揺るがすわけで、アカデミズムで受容されるには時間がかかるのも当然かと言う気もします。
中世 England の「薔薇戦争 the War of the Roses」のこれまでの史実の解釈を、Greenfeld は反転させています。既存の学説史に関して、私が全く無知のため、ちょっと下調べをしていることが長引いている、私の pending 状態の原因です。誠に恐縮ですが、もう少しお待ち頂ければ幸甚です。
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コメント
まずは「ある程度素養を高める」としないと、「扉を開く学問」はできない・・てのも、「扉を閉じる学問」が隆盛しやすい原因でしょう。
ですが、ある程度基礎を覚えてからも「扉を閉じる学問」では、ただの洗脳・調教にすぎないのですよね。
扉を閉ざす学問・・・だけでは例えば、医者は製薬会社の営業社員に成り下がります・・
イベルメクチンをめぐる医療エリートたちの醜態
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-2763.html
「ボケと突っ込み」というか、学問には「突っ込み」がなければ、進展や個々人でも学力の向上などありえないと思ったりします。
その「突っ込み」=「扉を開く学問」なのでしょうかね。
投稿: 遍照飛竜 | 2024年10月30日 (水) 10時19分
遍照飛竜 様
幾つもの件について応答が延び延びとなりまして恐縮です。
日常生活においても、学界においても、既存秩序や既存の枠組みに対して、冷静にシンプル考えれば、誰にでも、ふと気づくような素朴な疑問を口に出す。そういうことが「憚れる」という状態が継続していて、それが「当たり前」になってしまっている。
数日前、小学生に社会の公民を教えました。日本国憲法の3原則の一つで「平和主義」があり、その法的根拠が第九条の「陸海軍を持たない」と書いてあることだ。しかし、「自衛隊」は、軍隊、ミサイル、戦闘機、戦艦、潜水艦、を持っている。それに「在日米軍」までいる。海外では、「自衛隊」は「Japanese Army」と報道されている。「これは、おかしい」と思っていいし、思っていないとダメだと教えたところです。彼等が親にどう伝えるかわかりませんが。
投稿: renqing | 2024年10月29日 (火) 21時20分
無限の英知・・てのを考えると、扉を開くことのほうが、閉じることよりもはるかに大事に思えます。
閉ざされていると、、、嬉々と殺人ワクチンを打ち続けるようになりますし。
きっと近代日本以降は「扉を閉ざす学問」ばっかりだったのでしょう。。
開かれると・・・「天皇」「西欧の学問」への「信仰」が壊れるから、無能な為政者・セレブには困るからでしょうね。
投稿: 遍照飛竜 | 2024年10月29日 (火) 20時49分