« 比較思想からみた「原罪」(peccatum originale/original sin)| Original Sin from the Perspective of Comparative Thought | トップページ | 「産業革命」の起源(2)/ The origins of the ‘Industrial Revolution’(2) »

2024年11月 8日 (金)

「産業革命」の起源(1)/ The origins of the ‘Industrial Revolution’(1)

ChatGPTに以下の質問をし、下記の回答を得ました。閲覧される方の参考になれば幸甚です。

◆問い
「18世紀後半のイングランド England の綿紡績業、綿織物業で、産業革命 Industrial Revolution が始まり、それが、米国を含む西欧主権国家群の競争心を刺激して、西欧世界に燎原の火のように広がり、19世紀中には西欧世界全体が都市型の産業社会に変貌しました。
 しかし、中世後半から、18世紀半ばまで、イングランドのリーディング・インダストリーは、毛織物工業でした。対西欧貿易においても、競争力の強い産業は毛織物工業でした。原料の羊毛は良質のものをイングランド自身が産出するのですから、ある意味当然です。しかしながら、18世紀後半の産業革命は、イングランドにとって輸入原材料である原綿を主な投入財とする、綿工業で起きたのが歴史的事実です。
 なぜ、イングランドの産業革命が、旧来の主力産業である毛織物工業からスタートせず、イングランドにとって新興である綿工業から始まったのか。21世紀の西欧経済史学の水準に基づいて、説明してください。」

 

◆ChatGPTからの回答(2024.11.08)

18世紀後半にイングランドで産業革命が綿工業から始まった理由を21世紀の西欧経済史学の視点で説明すると、以下のいくつかの要因が挙げられます。

1. **綿製品の需要増加**
 18世紀に入ると、軽くて肌触りのよい綿製品は、イギリス国内およびヨーロッパ諸国で大変な人気を博しました。インド産の綿製品(キャラコ)は、その品質と手頃な価格で需要が急増しており、この需要に対応するために国内での綿工業の発展が期待されました。既存の毛織物産業とは異なる新市場を開拓できる可能性が、イングランドの産業界にとって魅力的だったのです。

2. **輸入原材料への依存と技術革新**
 イングランドは、毛織物に必要な羊毛は自国で生産していましたが、綿に関しては主に植民地(インドやアメリカ南部)からの輸入に依存していました。この依存構造は国内の綿工業の成長を支援するための外圧の一因ともなり、安価な綿製品を大量生産できる技術の発展が期待されました。これに伴い、ジェニー紡績機や水力紡績機など、製造効率を飛躍的に向上させる機械が発明されました。綿工業の技術革新はイギリス産業革命の中心的役割を果たし、広範囲な産業への応用も可能でした。

3. **製造過程の分業と工場制への適合性**
 綿工業は、紡績と織布という工程が分業しやすく、大量生産に適していました。工場制生産の導入により、規模の経済を活かした生産効率の向上が可能となりました。一方、毛織物工業は依然として手工業的な要素が強く、伝統的な生産体制に依存していました。このため、綿工業の方が工業化と機械導入に適しており、産業革命の先駆けとしての役割を果たしたのです。

4. **海外市場への競争力と貿易政策**
 綿製品は、毛織物に比べて輸送が容易で、熱帯地域など異なる気候の市場でも需要が高い製品でした。政府も、国内産業保護と海外市場への進出を促進するため、輸入に対する規制や植民地貿易の奨励策を展開し、綿工業の発展を支援しました。

こうした要因が相まって、綿工業はイングランドの産業革命の中心的な役割を担い、最初に大規模な工業化が進んだのです。この産業構造の変化は、都市の成長とともに工業社会への転換をもたらし、最終的に西欧社会全体が工業化を促進する方向に進みました。

|

« 比較思想からみた「原罪」(peccatum originale/original sin)| Original Sin from the Perspective of Comparative Thought | トップページ | 「産業革命」の起源(2)/ The origins of the ‘Industrial Revolution’(2) »

西洋 (Western countries)」カテゴリの記事

近現代(modernity)」カテゴリの記事

資本主義(capitalism)」カテゴリの記事

technology」カテゴリの記事

AI ( artificial intelligence)」カテゴリの記事

コメント

塩沢先生
コメントありがとうございます。

私の応答が長くなってしまいましたので、新しい記事としました。恐縮ですが、そちらをご覧いただけますでしょうか。

投稿: renqing | 2024年11月11日 (月) 02時59分

イギリス以外の産業革命については、以下の記事がおもろそうです。わずか人口8万人ぐらいの小さな地域で起きたことですが、産業革命も広くとらえればこうした可能性もあるということでしょう。
https://rwer.wordpress.com/2024/11/02/fryslan-boppe-an-in-depth-inspirational-analysis-of-work-rewarded-with-the-2024-riksbank-prize-in-economic-sciences/

人口8万人というと、江戸時代の藩の平均人口です。一つの藩から産業革命が始まる可能性があったのか、それとも地域外貿易といった別の要因が必要なのか、色々考えることができます。

投稿: 塩沢由典 | 2024年11月 8日 (金) 12時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 比較思想からみた「原罪」(peccatum originale/original sin)| Original Sin from the Perspective of Comparative Thought | トップページ | 「産業革命」の起源(2)/ The origins of the ‘Industrial Revolution’(2) »